InDesign 2020 の新機能「似た画像を検索」はこう使え!
InDesign 2020の新機能に「似た画像を検索」がありますが、「すでにある画像の似たものを探してどうするの?」と思われる方も多いでしょう。似た画像を探すためには、まず元となる画像を用意しなければなりません。
「元になる画像を用意するのであれば、その時点で最適な画像を選択するに決まってるでしょ?」
その通り。何のためにこんな機能を付けたのか、私にも分かりません。
私は印刷会社にいましたので、使用する画像というのはお客さんの方で用意します。しかし広報誌などで、文章が短くて数行余った場合などに「季節のイラストでも入れといて」と言われることがありました。こういうのを「埋め草」というんですが今でもあるんでしょうかね。当時はカット集の中から探して使ったりしたんですが、この「探す」という行為がとても面倒くさい。自分で描ければ楽なんですが、へたくそなのでどうしようもありません。
でもね、そのへたくそな絵から画像を探してくれる機能なんです。しかも、元絵をスキャンすることなくInDesignで完結しますので、ものぐさな方にとってもお勧めです。
ただ、手順が少しややこしいので、説明しますね。
まず、画像フレームを作成します。これは埋め草を入れるつもりで作成しました。
続いて、ドキュメントの空いている場所(どこでもよい)に図形やペンツール、鉛筆ツールを駆使して適当な絵を描きます(InDesignの鉛筆ツールってこんなときぐらいしか使わないよね)。描いたらグループ化しておきます。チューリップに見えるかな?
このグループ化したものをコピーします。そして画像フレームを選択し、[編集]メニューの[選択範囲内にペースト]をクリックします。
そして画像フレームを選択したままの状態(ここが重要)で、[編集]メニューの[似た画像を検索]をクリックします。これは右クリックメニュー(コンテクストメニュー)にもありますので、そちらでも構いません。
するとCCライブラリパネルが表示されて検索されます。
なんか変なのもあるけど、一応チューリップは出てきました。(自分より下手だと思う画像もあるんだけど)。画像の上にカーソルを乗せるとカートと+のアイコンが出てきます。+のアイコンは「購入せずにプレビューをCCライブラリに保存する」機能です。
+をクリックしてCCライブラリに保存します。
画像フレームに戻って、ペーストした画像(グループ)を削除し、CCライブラリパネルから画像をドラッグして配置します。このとき画像フレームを選択していないと、新しいフレームが作成されるので注意してください。
後は画像サイズと位置を調整してください。
手順は以上です。
ではこの機能、どれだけの精度があるのかしらと思っていろいろ試してみました。
その1(適当に描いた花)
その2(誰が見ても軽トラ)
その3(適当に描いた花。グラデーションを付けてみました)
その4(とうもろこしです!)
その5(稲穂です! これは惨敗)
その6(ぶどうだってわかりますよね?)
その7(棒つきキャンディ)
その8(ステッキ型キャンディ(キャンディケイン)です!)
ということで、画力がなくても何とかしてくれるAdobe Senseiはすごいってことでいいのかな?
ところで、気に入った画像がなかった場合、これをキャンセルする方法が見つかっていません。検索結果をクリアして、元のライブラリの表示に戻りたいんですが。どれかをCCライブラリに追加するか、InDesignを再起動しないと終わらないようです。
UserVoiceに投稿したので賛同される方はVoteをお願いします。
(11月13日追記、さらに追記を修正)
投稿の返事がきました。検索結果をクリアするには、検索欄(<類似の画像を検索>の表示があるところ)をクリックしてください。すると⊗(の白黒を反転したもの)が表示されますので、そこをクリックします。わかるか、こんなところ!