InDesign 21.2アップデート。フレックスレイアウト→フレックスコンテナに
1月27日遅くにInDesign 21.2アップデートが来ました。
なお、CCデスクトップアプリでは「IllustratorファイルをInDesignドキュメントに変換し、配置された画像の代替テキストを自動的に生成します。」とありますが、「IllustratorファイルをInDesignドキュメントに変換」は日本語版ではできません。
ですので日本語版での新機能は次の2つです。
修正された問題は次の通りです。
- [Windowsのみ] 編集中にテキストが表示されなくなる。
- [Windowsのみ] InDesignで「取り消し」のスタックが頻繁にクリアされる。(コミュニティフォーラムにもあった気が)
- オブジェクトスタイルで1440ptを超えるサイズと位置の値がサポートされるようになりました。
- InDesign 21.0 SDKで作成されたプラグインが、ハイパーリンク作成時に InDesign 21.1をクラッシュさせる。
- ユーザーが開いているInDesignドキュメント間を切り替える際、プラグインのドキュメントオブザーバー更新機能が呼び出されなくなっている。
- カスタム記号文字を含むIDMLファイルを開く際にInDesignがクラッシュする。
- オブジェクトスタイルでの1440ptを超えるサイズと位置の値のサポートが、IDMLラウンドトリップとスニペット/CCライブラリに拡張されました。
- オブジェクトスタイルでの負のX/Y位置の値が、スニペット/CCライブラリとIDMLラウンドトリップで保持されるようになりました。
- IDML書き出し/読み込み時に条件付きテキスト設定が変更されます。
- IDML内のテキストスレッドを元の InDesign ドキュメントと同様に表示します。
- 自動ページ番号が選択され、開始番号フィールドに数値が入力されている場合、IDMLとして保存するとカスタムページ番号が失われます。
- INDDファイルをIDMLに変換する際、内側の光彩のサイズ値が12p6(52.917mm)を超えると、書き出されたファイルで誤って0p7(2.469mm)に変更されます。
- [Windows のみ] ドキュメントをIDMLに書き出した後、特定のセル境界線で予期しない色の変更が発生します。
- InDesignファイルをIDMLに保存する際、マージンがゼロに設定されており、幅/高さが6p0未満の場合は、ページサイズが変更されます。
- [Windows のみ] 書き出し中にPDFExportProviderオブジェクトが破棄されて再作成されることで、エラーが発生する。
- デフォルトのオブジェクトスタイルが、属しているスタイルグループと同じ名前の場合、IDMLを開く際にクラッシュする。
IDML(およびIDML書き出し)の修正が多いですね! IDMLはバージョン跨ぎの際に使用することもありますが、壊れたドキュメントを修復する手段として非常に重要です。また、将来InDesignが終了したとしても、IDMLを読み込んで再現できるアプリケーション(Affinityとか)があればデータは流用可能になりますので、ここのバグが修正されるのは非常に嬉しいです。
代替テキストを自動生成
この機能を使うには条件があります。
画像配置時にドキュメントの[基本段落]スタイルの「詳細文字形式」で言語が「英語:○○」であること
「○○」には「カナダ」「英国」「米国」「米国医学用語」「米国法律用語」が入ります。ポイントは「画像配置時」なので、画像を配置する直前に言語を変えてしまえば日本語版でも使用できます。ただし、作成される代替テキストは英語なので日本語版で使う意味があるのかということはあります。
言語が「日本語」の状態で配置した場合
言語を「英語:○○」にして配置した場合
このように自動的に代替テキストが作成されます。「AI が生成したコンテンツ」という部分も代替テキストに含まれます。編集したい場合は画像フレームを右クリックし、「オブジェクト書き出しオプション」をクリックします。
この機能は無効にできます。というのも、ユーザーガイドでは
- この機能は、無制限クレジットを持つユーザーに対して自動的に有効になります。
- 代替テキストを生成するたびに、生成ごとに 1 クレジットを消費します(期間限定)。
ということなので、21.2にアップデートした時点で有効になっており、画像を配置するたびに1クレジット消費されることになります。生成AIの標準機能(プレミアム機能ではない)なので、CreativeCloud Proで契約している方は無制限で使用できると思うので痛くはないはずです。Standardプランの方は注意が必要です。(といっても、日本語版ではデフォルトで言語が「日本語」なのでそもそも実行されません。将来的に日本語に対応した場合です)
親切なことに初回にこの機能を使おうとすると次のようなメッセージが出ます(自分で消すまで残り続けます)。
設定は環境設定の中にあります。
ところで生成された代替テキストなんですが信用してはいけません。
A man with short hair and a beard is wearing a brown jacket.
(髪が短くてひげを生やした男性が茶色のジャケットを着ています。)
私のどこにひげがあるというのだ
フレックスレイアウトがフレックスコンテナに名称変更
名称変更なので、「新機能」でもなければ「修正された問題」でもないため、どこにも案内されていないという。以前からそうだったんですが「変更点」もアナウンスするようにしてほしいですね。
ツールチップやヘルプはまだ修正されていません。
で、このブログの連載記事「フレックスレイアウトとは何か」も「フレックスコンテナとは何か」にしなければならないわけですが、キャプチャ画像を全部作り直すのは大変すぎる。まあ、本文中あちこちで「フレックスコンテナ」と書いてあるので、検索でも引っかかってくるでしょう。
スクリプトの変更点
スクリプトにも変更点があります。
GeneralPreferenceオブジェクト
| プロパティ | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| autoGenerateAltText | bool | 画像の配置時に代替テキストを自動生成 |
| addAITagToAltText | bool | 自動生成された代替テキストに「AI が生成したコンテンツ」タグを追加 |
ObjectStyleオブジェクト
| プロパティ | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| epubAriaLabel | 文字列 | ARIAラベル |
| epubAriaLabelSourceType | EpubAriaLabelSourceType | ARIAラベル([自動]、[カスタムラベル]、なし) |
これはObjectExportOptionオブジェクトにあるものをそのままObjectStyleオブジェクトにつけただけです。21.1のときの実装漏れと思われても仕方がないのだけれど、一応「新機能」として記載されています。
TransformAttributeOptionオブジェクト
| プロパティ | 21.1までの値の範囲 | 21.2での値の範囲 |
|---|---|---|
| transformAttrX | 1 から 1440 まで | -432 から 15984 まで |
| transformAttrY | 1 から 1440 まで | -432 から 15984 まで |
| transformAttrWidth | 1 から 1440 まで | 1 から 16416 まで |
| transformAttrHeight | 1 から 1440 まで | 1 から 16416 まで |
これは修正された問題の中の「負のX/Y位置」「1440pt」の修正に関するものです。
Applicationオブジェクト、Eventオブジェクト
| プロパティ | 値(文字列) | 説明 |
|---|---|---|
| BEFORE_SCRIPT_METHOD | beforeScriptMethod | Dispatched before a script method is invoked. This event bubbles. This event is not cancelable. |
| AFTER_SCRIPT_METHOD | afterScriptMethod | Dispatched after a script method is invoked. This event bubbles. This event is not cancelable. |
これは謎です。新たなイベントが追加されています。スクリプト実行前と実行後に発生するイベントのようですが、さて何に使うのでしょう。ユーザーの要望か、それとも新しい機能の実装の前触れか、情報は全くありません。










