網掛のページだけノンブルを白抜きにしたい
またもInDesignのTIPSです。今回のお題はノンブルの色を変えるというもの。条件は
- ノンブルに背景がない場合はスミ
- ノンブルの背景に網掛(地紋)があれば白抜き
にしたいというもの。パンフレットとかでありがちですね。で、それだけのために新たにマスターページを用意するのも邪魔なので、1つのマスターページでやっちまおうじゃないか、ということです。使用できる場面が限られますが、これがInDesignの凄いところなので、是非試してみてください。これを知ると、あれにもこれにも、と応用したくなること請け合いです。
新しくドキュメントを作成したら、まず、ノンブルに使用するスウォッチを作成します。ポイントはオーバープリントしないK100%にすること。[黒]スウォッチだとデフォルトでオーバープリントがかかってしまうので、新しくスウォッチを作成してください。
次にノンブル用のレイヤーを作成します。そしてマスターページに移動して、そのレイヤーにテキストフレームを作成してノンブル(現在のページ番号)を入れる、と。
ノンブルの塗りは先程作ったスウォッチにしてください。忘れがちなので注意。
次がキモです。そのテキストフレームもしくは文字に対して、「スクリーン」または「比較(明)」の効果を設定します。
これで完了です。あっけないですね。では結果を見てみましょう。
まず背景に何もないページです。ノンブルはK100%です。
ここで注目。確認方法なんですが、まず分版パネルを表示してください。そこで表示を「色分解」にすると[オーバープリントプレビュー]に表示が変わって、マウスカーソルの下の網%が分版パネルに表示されます。この網%を表示する機能はIllustratorにはないんだなあ。残念。でもIllustratorで作ったデータでも、InDesignに配置すれば網%が表示されます。InDesignすごい!
で、上の図のようにK100%であることが確認できます。
では背景に網を引いてみましょう。グラデーションでもIllustratorファイルでも構いません。た・だ・し、背景にはK成分を含んではいけません!
この条件ちょっと厳しいか? でも含んじゃうと完全な白抜きにはならないんですよ。そこをなんとかお願いします。
このように網の部分はC100M90Y10で、ノンブルの部分は白になっています。
ちなみに、背景に写真を置いてみると、こうなります。
写真にスミ成分があるので、完全な白抜きにはならず、スミ成分が残ってしまいます。(↓拡大図)
ということで、使う場面が限られていますが、うまくはまれば非常に便利な機能です。
なお、よほど古いRIPでない限り問題が発生することはないはずですが、心配な場合は事前に実際のRIPでの出力テストを行っておいてください。