「InDesign JavaScript教室」第2期の使用ツールについて
「InDesign JavaScript教室でどの教室に申し込んだらよいかわからない」という問い合わせをいただきましたので、使用ツールについて解説します。
この教室でプログラミングの成果として作成するものは、プログラムコードが書かれた「テキストファイル」です。テキストファイルを作成するのですから、Windowsのメモ帳やMacのテキストエディットでも作成したり編集したりできます。
ではなぜ専用のツールを使うかというと、次のような利点があるからです。
その場で実行できる
メモ帳などで作成した場合、一旦ファイルを保存しなければなりません。InDesignの場合はスクリプトを実行できるフォルダに移動する必要もあります。そして実行するためにはメニューなどから起動することになります。一方、専用ツールの場合は、編集している画面から実行することができます。プログラムは1文字でも間違いがあると動かないこともありますので何度も修正することになりますが、そうした場合の効率が全然違います。
プログラムコードを読みやすくしてくれる
メモ帳などでは、文字の色は自分で指定しない限り基本的に全部同じです。しかし専用ツールでは単語の役割に応じて勝手に色を変えてくれます(コードのカラーリングといいます)。このことにより、作成している内容を理解しやすくしたり、スペルを間違った際に気づきやすくなります(正しければ青色に変わるはずなのに変わらないということになります)。
どこが間違っているか教えてくれる
単純な構文ミスなど、エラーメッセージが出る以前のレベルの間違いがあった場合、メモ帳などでは単に実行されないだけなので、どこが間違っているか分かりません。しかし専用ツールの場合はどこが違っているか教えてくれることがあります。
入力する単語のヒントを教えてくれる
よく使う単語の場合に、最初の1~2文字を入力するだけで候補となる単語を教えてくれます(これをコードヒントまたは自動補完などといいます。ただ、Adobeアプリケーションの自動化についてはあまり役に立たないんですが(^^;
ここから本題です。今回使用するツールは次の2つです。
- ExtendScript Toolkit(以下ESTKと略します)
- ExtendScript Debugger for Visual Studio Code(以下ESDと略します)
違いは次の通りです。できるだけ分かりやすく〇×だけにしました。
ツール | 動作環境 | 使いやすさ | 機能の豊富さ | 今後への期待 | 今回の教室 |
---|---|---|---|---|---|
ESTK | ×(Windows、macOS 10.14以前に限定) | 〇 | 〇 | ×(開発終了) | 「A/毎週日曜日」で使用 |
ESD | 〇(制限なし) | × | × | 〇(数年後によくなるかも) | A以外で使用 |
選択の基準としては、Windowsの方や、macOS 10.14以前で当面OSのバージョンアップが見込めない方はESTKを、それ以外の方はESDを選ばれるとよいでしょう。
また、ESDを動作させるためのVisual Studio Codeですが、これは汎用の開発ツールで、htmlを書いたり、その他のプログラム言語を書くためにも使われます。そのため、htmlや他のプログラム言語を習得してみたい方はESDの方がいいかもしれません。
例えていうと、この教室を料理教室だと思ってください。ここで教わるのは料理の作り方です。ですから道具選びは本質ではありません。ただ、その中で皮むきをしなければならないときにピーラー(ESTK)を使うか、包丁(ESD)を使うか、ということです。
メモ帳とかを使うのは爪を立てたり歯を立てたりして皮をむくのと同じで、よほど熟練していないときびしいものです(私はできますけどね)。