ハイフンの位置が気に入らないならオールキャップスを試してみて
久しぶりに組版の記事を書きます。ことの発端は例によって『Affinity制作入門』です。この本では本文の欧文部分にAcumin Pro SemiCondensed Lightというフォントを使っています。デザイナーの指示はAcumin Pro Lightだったんですが、少し幅が狭いSemicondensedに変更しました。Adobe謹製のフォントなんですが、デフォルトの数字がプロポーショナル(等幅もあることに後から気づいたが手遅れ)なのと、ピリオドが縦長の長方形で気に入らないので私はもう使いません。
ただ、使ったことがないフォントなのでちょっと調べてみました。まず通常(プロポーショナル)と等幅フォントの違い。上がプロポーショナルで下が等幅ですね。等幅の方は単に幅が違うだけでなく「1」の形が違います。等幅で隙間が出るのを嫌ったんだと思いますが、そういうことをするんですね、という感想。これは1冊の中で混在して使うのはちょっと遠慮したいですね。
また、OpenTypeの「Case-Sensitive Forms」という字形を持っていることもわかりました。この字形を使うと括弧とハイフンの位置が変わります。ガイドを引いてみたんですが、分かりますかね?
よく見ると数字の高さも「Case-Sensitive Forms」の方が少し高いです。
この例は電話番号を表したものですが、通常の字形だとハイフンが「x」の中央に来るのに対し、「Case-Sensitive Forms」の方はベースラインとアセントの中央にあるように感じます(正確なところは知りません)。
ここまでの図はAffinityで入力したものです。なぜなら、InDesignやIllustratorではOpenTypeの「Case-Sensitive Forms」を直接指定する方法がないから。(他にも欧文組版ではAffinityの方が細かいところに手が届くところが多いなと感じています。詳しくは別の機会に)
じゃあ、InDesignやIllustratorでは使えないのか、というとそうではありません。InDesignやIllustratorの場合オールキャップスを指定すると同じように再現できることがわかりました。
オールキャップスというと多くのところで「アルファベットがすべて大文字になりますよ」と書いてある(例:鷹野さんの説明)のですが、数字や記号類の形が変わるとはどこにも書いてありません。なので私も気づかなかったのです。Acumin Pro SemiCondensed Lightの場合、オールキャップスを指定するとOpenTypeの「Case-Sensitive Forms」が呼び出されて適用されるようです(Affinityでの挙動を見ると)。
今まで、電話番号や郵便番号でハイフンを数字の中央に持ってきたいときは、日本語フォントに変えて等幅半角字形を適用していましたが、フォントによってはオールキャップスを適用することで、より自然なハイフンになるかもしれません。
たとえばこれはAdobe Caslon Pro Regular。ハイフンと括弧が上がりすぎな気がしますが、やはり位置が移動します。
Windowsに標準搭載のCalibri Regular。いい感じです。
おなじみのAdobe Garamond Pro Regular。セリフ体のハイフンは少し上に行きすぎる気がするのは共通なんですかね?
私はフォントの専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、ハイフンが下に寄っているのが気に入らないという方は是非試していただきたいと思います。なお、全く変わらないフォントもたくさんあります。







