InDesign英語版は(組版において)別ソフトと考えた方がよい?
前のエントリでInDesign oneLinerを「最終ベータ版(多分)」としていましたが、予想が外れました。
というのも、それまで日本語版でしか試せていませんでした。もちろん、日本語版以外のInDesignを持っていないからですが。そのため知人に英語版でテストしてもらったんですが、エラーで動かないという事態に。急遽修正、4月2日にアップロードしましたよ。これで、日本語版でも英語版でも動きます。もしまだ試していない方はこちらからどうぞ。
さて、日本語版しか使っていない私にとって、それ以外の言語版のInDesignというのはまったく未知のものなんだなあ、ということを知らされました。
まあ、組版を除けばそれほど違わないのかもしれませんが、InDesign oneLinerでは思いっきり問題が生じました。
調査過程で縦組パスツールがなさそうだというのは思っていたのですが、使っているのは
if (app.toolBoxTools.currentTool == UITools.VERTICAL_TYPE_ON_PATH_TOOL) {
というところだけなので、縦組パスツールがない場合はそもそもこの条件がtrueになることはありません。そのため、問題がないと思っていたんですが、
UITools.VERTICAL_TYPE_ON_PATH_TOOLというプロパティまたはメソッドが見つかりません(意訳)
と言われてしまいました。ツール(UI)に存在しないというだけではなく、そもそもそんなプロパティが用意されていないという。オブジェクトモデルにはあるのに使えないの? ということでびっくり。英語版ユーザーには当たり前のことかもしれないんだけど、あるから使えるっていうものではないんだねえ。まあ、日本語版でも指定できないプロパティはあるんだけど、非常に少ないので普段気にしてない。
ということで、そもそもプロパティの有無を調べなきゃいかんわけです。
var vt = false; if (UITools.hasOwnProperty("VERTICAL_TYPE_ON_PATH_TOOL")) vt = true; if (vt && app.toolBoxTools.currentTool == UITools.VERTICAL_TYPE_ON_PATH_TOOL) {
ということでhasOwnPropertyの出番です。これで回避完了。
そして次にエラーになったのが、
StoryPreference.storyOrientationというプロパティまたはメソッドが見つかりません(意訳)
というもの。
ガーン! そもそも、組方向という概念すら持ってなかった!
そうか英語ユーザーには「横組」というものが通じないんだ。彼らの使うDTPは文字の流れる方向は決まっていて、それにいくつかの種類があるということすら知らないんだ。これは先が思いやられる。
ということなんだけれど、実はエラーはこの2か所のみ。おかげでテスト当日に修正が終わりました。なかなかいい勉強になりました。