InDesign 2024(19.0) でのオブジェクトモデル変更点の速報
2つ前の記事でオブジェクトモデルのXMLファイルを取得できないと嘆いていましたが、取得することができました。経緯は記事のコメント欄に書いてあります。snakelilyさん、ありがとうございます。
オブジェクトモデル図を作成する前に、変更点だけ先に書いておきます。XMLファイルを取得して分かったことですが、バージョン18と19の間に18.5が存在します。つまりInDesign 18.5でオブジェクトモデルに変更があったわけです。ただ、2つ前の記事で18.5は導入しにくい(少なくとも私は18.3に戻して使用しています)ということ、また変更点は実質1か所だけなので、オブジェクトモデル図の中ではなかったものとして扱います。(つまり19.0で追加されたように見える)
18.5での変更点(追加のみ)
イベント「HOME_SCREEN_VISIBILITY_CHANGE」が追加されました。オブジェクトはEventとApplicationです。ホームスクリーンの表示/非表示を切り替えたときに発生するイベントのようです(未確認)。使うシーンが思いつかないのですが、InDesign 開発チーム用ですかねえ。
19.0での変更点(追加のみ)
こちらは19.0の新機能に伴うものです。
「スプレッドを隠す」に伴うもの
XMLからは次のものが得られます。
- Spreadオブジェクトの「spreadHidden」プロパティ(ブール値)
- PDFExportPreferenceオブジェクト、InteractivePDFExportPreferenceオブジェクトの「spreadHidden」プロパティ(ブール値)
PDFExportPresetオブジェクトには含まれていませんので注意してください。
ところがこの機能はPNG書き出し、JPEG書き出しでも使います。しかしXML内に記述がありません。調べたところ
- PNGExportPreferenceオブジェクトに「exportingHiddenSpread」プロパティ(ブール値)
- JPEGExportPreferenceオブジェクトに「exportingHiddenSpread」プロパティ(ブール値)
が存在することがわかりました(まだ動かしてみてはいません)。こういうのがあると困るんだけどな(^^;
「JPEG および PNG の書き出しでのファイル名の接尾辞」に伴うもの
- PNGExportPreferenceオブジェクトの「pngSuffix」プロパティ(文字列値)
- JPEGExportPreferenceオブジェクトの「jpegSuffix」プロパティ(文字列値)
この2つが追加です。
「World Ready Composer のデフォルトのシェーピングエンジンとして機能する Harfbuzz」に伴うもの
- TextPreferenceオブジェクトの「shapeIndicAndLatinWithHarbuzz」プロパティ
実はこれ、以前から存在してますので、19.0での変更点ではありません。これはバージョン15.0(2020)から追加されてて、今までは「スクリプトからだけで使える機能」だったんですね。
スタイルの自動設定(スタイルパック)、Publish Onlineの新機能については何も見つかっていません。
以上です! と言いたいところですが、XMLファイルに記述がないものを見つけてしまったので疑心暗鬼になってます。またHarbuzzのように記述があったのに今まで気づかなかったものがあるかもしれないので、私のオブジェクトモデル図もあまり信頼しすぎない方がよいかもしれません。情報があったら追加しますので、どんどんお寄せください。