InDesign 21.0と21.1のスクリプト面での変更点

2025年12月25日

21.0での変更点

スクリプトは長い英単語が多い! ということで表にしました。21.0では追加された項目のみで、削除されたものや変更されたものはありません。

オブジェクト プロパティ 説明
フレックスレイアウト関係 説明1
Application autoDetectionEnabled [環境設定][一般]「フレックスレイアウト設定を自動検出して適用」
説明2
Spread flexObjects フレックスレイアウト
MasterSpread flexObjects フレックスレイアウト
ObjectStyle flexLayoutAttributeOptions オブジェクトスタイルのフレックスレイアウトオプション
長方形などのページアイテム flexItemWidthMode フレックスレイアウトの子としての設定
flexItemHeightMode フレックスレイアウトの子としての設定
FlexObject   フレックスレイアウトオブジェクト
FlexObjects   フレックスレイアウトオブジェクトのコレクション
(列挙)FlexWidthHeightMode FLEX_FIXED、FLEX_FILL フレックスコンテナおよびフレックスレイアウトの子のサイズの指定値
(列挙)FlexEnum FLEX_AUTO
(列挙)FlexDirection FLEX_COLUMN、FLEX_COLUMN_REVERSE、FLEX_ROW、FLEX_ROW_REVERSE フレックスレイアウトの子の並び方
(列挙)FlexPosition FLEX_START、FLEX_CENTER、FLEX_END フレックスレイアウトの子の配置
説明3
(列挙)FlexSpacing FLEX_SPACE_BETWEEN、FLEX_SPACE_AROUND、FLEX_SPACE_EVENLY
(列挙)FlexWrap NO_WRAP、WRAP、WRAP_REVERSE コンテンツの折り返し
説明4
(列挙)FlexClipsContent CLIP、DONT_CLIP コンテンツの折り返しがオフの場合、はみ出た領域を表示するかどうか
説明5
Convert PDF to InDesign
PDFExportPreference preserveInDesignEditingCapabilities PDF書き出しダイアログの「InDesign編集機能を保持」。日本語版ではまだ使えません。
InteractivePDFExportPreference preserveInDesignEditingCapabilities
ePubのアクセシビリティ
ParagraphStyle epubAriaRole 前の記事参照
CharacterStyle epubAriaRole
ObjectStyle epubAriaRole
ObjectExportOption epubAriaRole

説明1 フレックスレイアウトについては今書きかけの連載記事がありますので、その中で詳しく解説します。オブジェクトモデル中にも書いていますが、バグが多いので注意です。

説明2 従来、Applicationオブジェクトには環境設定項目は入れないんですが(従来の感覚だとGeneralPreferenceオブジェクトに追加される)昨年の20.0から今までと違う実装がぽつぽつ見られます(以前も書いてました)。雑になったというか、従来のやり方が継承されてないというか、だいぶ不安です。

説明3 フレックスレイアウトの子の配置は、FlexPositionとFlexSpacingに分かれていますが意味はありません。この2つの中のどれかの値をとります。最初は別々で指定するような設計だったのかもしれません、試行錯誤の結果でしょう。

説明4 コンテンツの折り返しの3つの値はCSS Flexboxのものを借用しています。このうちFlexWrap.WRAP_REVERSEはInDesignのUIからは削除されました(オン・オフのみになった)。しかしスクリプトには残っているので、UIでは設定できない並び方が可能です。

説明5 FlexClipsContentはオブジェクトモデルには残っていますが、これはどこからも参照されていません。そのため、私のオブジェクトモデルでは表示する場所がありません。おそらく初期段階では計画されていたのでしょうが、21.0正式版では「コンテンツの折り返しがオフの場合、はみ出た領域は表示しない」仕様になっています。


21.1での変更点

21.1では追加されたもの、およびバグ修正があります。変更されたり削除されたものはありません。

オブジェクト プロパティ 説明
ePubのアクセシビリティ
Hyperlink epubAriaRole  
Hyperlink hypherlinkAltText  
ObjectExportOption epubAriaLabel  
ObjectExportOption epubAriaLabelSourceType  
(列挙)EpubAriaLabelSourceType NONE_ARIA_LABEL、AUTOMATIC_ARIA_LABEL、CUSTOM_ARIA_LABEL  
HTML5書き出し
Document html5ExportPreferences HTML5書き出し設定
Html5ExportPreference   HTML5書き出し設定
(列挙)ExportFormat HTML5  
(列挙)ImageSizeOption SIZE_NONE  
(列挙)TextExportFormatEnum HTML_TAG、SVG_TAG  
その他
DropShadowSetting size バグ修正。
効果のサイズはUIでは最大1000ptなのだが、スクリプトからは144ptに制限されていた。理由は不明。
それをUIと同じ1000ptまで指定できるように変更された。
InnerShadowSetting size
OuterGlowSetting size
InnerGlowSetting size
BevelAndEmbossSetting size
SatinSetting size
FindChangeDropShadowSetting size
FindChangeInnerShadowSetting size
FindChangeOuterGlowSetting size
FindChangeInnerGlowSetting size
FindChangeBevelAndEmbossSetting size
FindChangeSatinSetting size
ViewPreference showTextThreads [表示][エクストラ][テキスト連結を表示/隠す]。なぜかスクリプトの実装からは漏れていたメニュー項目。

ePubのアクセシビリティ関連およびHTML5書き出しについてはメニューやダイアログにあって、すぐに見つかるものについては説明をつけますが、見つからないものについてはわざわざテストしてまで解明することはしません。

追加されたオブジェクトの細かい情報が粗方分かったらオブジェクトモデルを21.1対応に更新しますので、しばらくお待ちください。

 

21.1ではスクリプトのバグが修正されたり、未実装の項目が追加されていたりするのは嬉しいですね。他にも漏れている項目はあるので、要望すれば実現されるかもしれないという期待を抱かせるものとなっています。特に複数台あるPCのInDesignの初期設定をスクリプト一発で済ませたかったのに、未実装の項目(どの項目か覚えていない)があって断念された方には今回のアップデートは朗報かもしれません。不便を感じている方はUserVoiceに投稿しましょう。