TEMPzxpsign~フォルダを作らせない方法(InDesign CC2017の例)

前の記事から引き続きです。
「ん? プラグインを無効にする調査をしてたのではないの?」
そうです。InDesignをできるだけ軽く使おうと、不要なプラグインを外すテストをしておりました。で、阻害要因を確認していたところ、CC2015、CC2017のWindows版で発生していた、「起動のたびTEMPzxpsign~フォルダが作成されて困る問題」とリンクしちゃった、ということなのです。


TEMPzxpsign~フォルダを作るのCEPHtmlEngine.exe

検証過程も色々書きたいところではあるのですが、端折ります。下の図Microsoft社製のフリーソフト「Process Explorer」InDesignからどのようなプログラムが呼び出されているかを確認したところです。私の場合OSのスタートアップにある「Adobe Creative Cloud」を無効にしているため、Creative Cloud関連のプログラムInDesignから呼び出されています。

これらのプログラムの中TEMPzxpsign~フォルダを作成するのは、CEPHtmlEngine.exeであることが分かりました。このプログラムが起動する度TEMPzxpsign~フォルダが一つ作成されます。上の図でInDesignCEPHtmlEngine.exeが2つ起動されているので、フォルダが2つ作成されたわけです。で、プログラムが終了してもフォルダは削除されません。

ということAdobeさんにはまずこのファイルを修正するよう要望します。

CEPHtmlEngine.exeの呼び出し元を断つ

InDesignやPhotoshopなどを起動するCEPHtmlEngine.exeが呼び出されるわけですが、ではなぜ2つもあるのでしょう。InDesign.exeなどの実行プログラムから呼び出すのであれば1つでよいはずです。実は実行プログラムから直接呼び出されているわけではありません。

Process ExplorerCEPHtmlEngine.exeを終了させてみましょう。右クリックで「Kill Process」ですね。InDesign直下の2つのプロセスを切断します。

Process Explorerを持っていない人はタスクマネージャで「Adobe CEP HTML Engine」のタスクを全部終了させます。その状態InDesignに何か変化はあったでしょうか。たいていの人は変化がないと思います。特に支障なくドキュメントを開いたり編集したりできると思います。

では、CEPHtmlEngine.exeを起動させてみましょう。まず、TEMPzxpsign~フォルダの数を覚えておいてください。というか削除しても問題ないので削除しちゃってください。CEPHtmlEngine.exeを起動させるには、InDesignの場合、次のパネルのどれかを開きます。

  • CCライブラリパネル
  • EPUBインタラクティビティプレビューパネル
  • Adobe Colorテーマパネル
  • ツールヒントパネル

InDesign以外の方でも「CCライブラリパネル」「Adobe Colorテーマパネル」はあるでしょうから、追体験できると思います。どうですか。TEMPzxpsign~フォルダが新しく作成されましたか。

つまり、CEPHtmlEngine.exeは本体の実行プログラムからではなく、それぞれのパネルを表示するプログラムによって呼び出されているのです。ですから呼び出し元のプログラムを実行しないことでフォルダの作成を防ぐことができます。

何だこのフォルダは!

とはいっても、アプリケーションの起動時CEPHtmlEngine.exeが呼び出されているので、なかなか呼び出し元を特定するのは難しい。フォルダ名やファイル名をリネームして起動できないようにして探していきます。そして、ついに見つけました。InDesignアプリケーションフォルダ内Resources\CEPフォルダです。

CEPフォルダの中CEPHtmlEngineフォルダに問題CEPHtmlEngine.exeがあるのですが、呼び出し元はその隣、extensionsフォルダ内にまとまって入っていました。一応知らない人のために書いておくKulerというのは「Adobe Colorテーマ」の昔の名前です。

ここでおや? と思った方は鋭い。com.adobe.DesignLibraries.angularフォルダには前科があります。

先にこのページを見つけておけばもっと解決が早かったかもしれない)

おまけですが、CEPフォルダ内にはこんな特徴が。

ハードディスクがなかった時代からパソコンを触っている自分としては、考えられないプログラムの作り方。

閑話休題。あとは、それぞれのフォルダを外してみるだけです。

結論。私はこうしました

InDesignで、パネルをすべて閉じていた場合、起動時に呼び出されるのOnBoardingとDesignLibraries.angularの2つです。他のアプリケーションでは異なるかもしれませんし、InDesignでも、該当するパネルが起動時に開くような設定が残っていたら結果は異なるかもしれません。

私の場合は更HTMLPreviewも邪魔だったので合計3つのフォルダを外しました。

外し方は図の通りで、CEPフォルダ内に「extensions_disable」というフォルダを作成。起動させたくない機能のフォルダをそこに移動させました。

その結果、InDesignの起動時CEPHtmlEngine.exeは起動しなくなり、TEMPzxpsign~フォルダが作られることはなくなりました。

外していないもの、つまり「Adobe Colorテーマ」「ツールヒント」は従来どおり使えますが、うっかり開いてしまうとあら大変。終了時に不要フォルダを削除しなければなりません。使う予定がないのであれば外しておいたほうが賢明ですね。


ということでプラグインの話に戻る訳ですが、extensionsフォルダから機能を外したことにより、InDesignの起動環境が変わりました。すなわち、「OnBoarding.apln」「EBookExport.apln」を外すことによって生じていたクラッシュの原因になっていた機能が除去されたということです。この2つのプラグインは外せます。

以上で2週間近くやっていた「プラグインを外して動作を軽くしよう」のテストは完結です。