WindowsのInDesign 2023(18.x)でシステム組んでる人は2024(19.0)をインストールしないでください
レジストリのInDesign 2024(19.0)のCLSIDはInDesign 2023(18.x)から変えていないことがわかりました。これはopen_the_inddのテスト中、バージョン18.xのデータを開こうとするとバージョン19.0が起動するということから発覚しました。
すなわちレジストリで
\\HKCR\InDesign.Application.2023\CLSID の値は {231441AB-8969-4F6D-8CD1-B596C4047898}
であるわけですが
\\HKCR\InDesign.Application.2024\CLSID の値も {231441AB-8969-4F6D-8CD1-B596C4047898}
となっており、バージョン19.0をインストールすると
\\HKCR\CLSID\{231441AB-8969-4F6D-8CD1-B596C4047898}
の下のレジストリの値をバージョン18からバージョン19に書き換えてしまっているということです。たとえば
\\HKCR\CLSID\{231441AB-8969-4F6D-8CD1-B596C4047898}\LocalServer32
の値はインストール前は
C:\Program Files\Adobe\Adobe InDesign 2023\InDesign.exe
だったものが、
C:\Program Files\Adobe\Adobe InDesign 2024\InDesign.exe
に書き換えられてしまいます。
そのため、たとえばVBScriptで
Set myInDesign = CreateObject("InDesign.Application.2023")
と書くとInDesign 2023が起動するわけですが、バージョン19.0をインストール後は、InDesign 2023が存在しているにもかかわらずInDesign 2024が起動するという事態になっています(VBScriptの場合、スクリプトパネルからの起動では問題ありません。InDesignの外部から実行したときに影響を受けます)。VBScriptに限らず、VBAやPythonなどWindowsのCOMオブジェクト(ActiveX、OLE、COMコンポーネントなど名称は違っても原理は同じ)を利用するすべてのプログラムで発生します。
今からUserVoiceの方でバグ報告しますが、取り急ぎ案内します。
UserVoiceにバグ報告しました。
よければ投票をお願いします。
10月17日 追記
このバグについては、開発チームも認識し、対応に向けて動いています。どのような対応になるかまだ分からないのですが、おそらく2024(19.0)のみの修正になると思われます。
そのため、2024(19.0)をインストールしてしまっている状態から正常な状態に戻すためには、一旦2023、2024ともアンインストールし、その上で2023をインストール、2024をインストールするという手順になると思われます。
open_the_inddの対応について
open_the_inddはもろにこの影響を受けています(というか、open_the_inddのテストを行っている際に挙動がおかしかったため確認したらこの不具合だったという)。
つまりopen_the_inddでInDesignファイルを開くとき、ファイルバージョンを18.xと判定してInDesign 2023を起動しようとしたのに2024が起動してしまうことですね。そのため現在open_the_inddの更新版の公開を見合わせています。
11月10日 追記
この問題は19.0.1で解消されました(次の記事参照)。