Illustrator 27.9.2はとんでもないバグあり。アップデートはやめましょう
Illustrator 2023というと、1つ前のバージョンですね。ですからもう新機能は追加されなくて、セキュリティ修正のみが行われるバージョンになります。3月8日あたりから、その27.9.2アップデートが来ています。が、これはMac版でとんでもないバグを含んでいます。なんと、アップデートするとアプリケーション名が「Illustrator 2024」になってしまうというものです。
これは今どのバージョンを実行しているか分からないので非常に危険なバグです。さっそくUserVoiceにも投稿されました。
After updating Illustrator 2023 to v27.9.2, the name gets changed to Illustrator 2024
Windowsではこの問題は発生していないようです。
私の所感をX(旧Twitter)に投稿しました。
Illustrator 27.9.2はセキュリティ修正のはずです。明日の朝セキュリティ情報が出るので、そこで修正内容が少しわかるかと。
— お~まち@組版仕事ないですか (@CS5_omachi) March 12, 2024
で、Mac版で2024と表記される件、これが本当にまずくて、私のように素直じゃない人は「27.9.1に対してセキュリティ修正を入れたんじゃなくて、(続く
Illustrator 27.9.2はセキュリティ修正のはずです。明日の朝セキュリティ情報が出るので、そこで修正内容が少しわかるかと。
で、Mac版で2024と表記される件、これが本当にまずくて、私のように素直じゃない人は「27.9.1に対してセキュリティ修正を入れたんじゃなくて、28.xに対して改変を入れたんじゃないか」という疑念を抱かざるを得ないわけです。27.9.1を改変したのなら2023が2024に変わるわけがない、という理由ですね。実際のところはどうか分からないですが。
ただそう思ってしまうと、他にも何か問題があるんじゃないか、となるのが普通でして。
ということで、見えている現象以上の怖さを感じるわけです。
(最初の部分、セキュリティ情報のところですが、3月のセキュリティ情報にIllustratorは含まれていませんでした。4月に公開されるものと思われます。)
このバグが単なる「うっかりミス」であればそれほど問題にはしないんですが、普通に考えて27.9.1に修正を入れたら「2023」のところが「2024」になるわけがありません。そんなところを触るわけがないですからね。しかも日本語版だけでなく他の言語版でもそうなっているということです。これは印刷で言うと、「初校から三校まで全く直しを入れていなかったところが突然変わってしまっている」という状況にたとえたらわかるかと思います。まず感じるのは「他の部分でも何かやっていないか?」ということでしょう。そして「いったい何が起こっているんだ?」と思うでしょう。
印刷物なら「とにかく全部確認しろ!」ていう初動だと思いますが、Illustratorという巨大アプリケーションでそれは無理な話です。ですからWindowsであっても「27.9.2にアップデートするな」という話になると思います。そのうち27.9.3が出るでしょう。
実は今回の問題は、「起こるべくして起こった」ことです。以前からIllustratorの開発チームは仕事が雑だということをこのブログでも指摘していましたが、ソースコードの管理に問題があることは間違いありません。さすがに「28.xに対して改変」はない気がしますが、27.xのソースコードと28.xのソースコードをきちんと分けて管理できていないことは明らかです。つまり管理体制・開発体制の問題です。先のUserVoiceでの回答も次のように言っています。
We are able to reproduce this issue at our end and the engineering team is currently isolating this issue further to get to the root cause.
(Google翻訳)
この問題は弊社で再現できており、エンジニアリング チームは現在、この問題をさらに切り分けて根本原因を究明しています。
太字にしたところ、つまり「根本原因を究明」ですね。Illustratorチームは本当に問われています。
ちなみに、私はもう嫌気がさしているので、仕事ではIllustratorは使っていません。使っているのは次の用途です。
- バージョンアップ時の新機能や変更点を確認して問題点を発信する
- Adobeコミュニティフォーラムで回答するために調べる
- Affinity Designerとの比較や互換性などの調査
仕事ではAffinity Designerを使います。私の仕事上、データのやり取りは発生しません。また、複雑な図形を描くということもありません(パスよりもシェイプを多用)ので圧倒的に軽くて速い方を選んでいます。