Illustrator 2025は使用禁止か? 今は2024一択
今、とんでもないことが起きています。
Adobe「Illustrator」更新で不具合 文字化け発生(YAHOO!ニュース)
DTP界隈においてIllustratorのバグはもう日常茶飯事と言っていいぐらいなのですが、それでも一般のニュースサイトに載ることは滅多にありません。
また、Xのトレンドにも挙がりました。
まあ、Xのトレンドはユーザーごとに違うので必ずしも全員に表示されるわけではないんですが、ピックアップされるということはそれだけ関連投稿があるということでしょう。
今回の29.8.1の問題は、macOS 15.6.1あたりの環境との組み合わせで発生しているようです(古いOSでは発生していないと見られる)。それまでのデータをバージョン29.8.1で開くと一部のテキストが文字化けし、レイアウトが崩れる(文字間が詰まって読めなくなる)というものです。
Macにて開くデータの文字化けや異常な詰まりが生じる問題について
文字が化けるのはモリサワフォントに顕著にみられるということが今回の広がりにつながったのかもしれません。
なお、YAHOO!で8月のアップデート(29.7.1)について触れていますが、それはこちらの件です。
バージョン29.7.1には環境設定ファイルが頻繁に壊れるという問題も発生しています。
【9/9解消】文字組設定や単位やショートカットが動作しないか変化してしまう問題について
これは29.8.1で解消したらしいですが、29.8.1はそれ以上の問題が発生しているというわけです。
Xのトレンドで「文字化け危機が拡大」とありますが、「危機」って何でしょうね? まあAIのやることなので言葉足らずなんでしょう、正しくは「文字化け事象が拡大」です。
文字化け(フォント化け)はバージョン29.3から始まりました(イラストレーターの文字化けについて)。この原因は29.3の新機能「インストールせずに環境にないフォントをプレビュー」が引き起こしたのではないかと推測されます。(日本語組版も改善されましたが、フォントを触る機能ではないので関係なさそう)
バージョン29.5でも文字化け(フォント化け)が発生しました。これはパフォーマンスの強化で、フォントのナビゲーションを高速化したこと(フォントキャッシュ関係をいじった可能性がある)に関係するのではと推測されます。これは29.7.1で修正されたということです。
しかし、日本語コミュニティフォーラムでは、バージョン29.6から文字化けに関する投稿が増えていきます。これがどの機能の変更によってもたらされたものかは、いまだにわかっていません。29.7.1でも解消しないため、Adobeのサポート文書では29.2.1以前のバージョンに戻すようアナウンスしているのです。
そう言った中で今回の29.8.1での文字化けの発生です。「直そうとして悪化した」のかどうなのか、原因はまだわかりません。
話は変わって、Illustratorの機能の実装です。ここのところ、「実装しては元に戻す」ことを繰り返しています。長期的なところでいえば「見つからないリンクのダイアログ」です(以前の記事を見てください)。
短期的なところでいえばアクティブなアートボードの境界の表示です。アクティブなアートボードを見つけやすくするため、29.7.1ではそれだけ2pxの黒で表示しました。どうやら高解像度のディスプレイでは区別がつきにくいそうなんですね。実はこの変更、ベータ版で青にしたのですが非常に不評だったため変更して実装したものです。しかしそれでも不評だったため29.8.1では元に戻っています。
バージョン29.6で、「保存/別名で保存」ダイアログのファイル形式の初期値を前回保存した形式になるよう変更しました。これにより、前回PDF形式で保存した場合に、次に保存するときの初期値がPDF形式になります。これはとんでもない変更で、意図せずPDF形式で保存してしまうことになります。当然苦情が来ます。それに対して元の仕様に戻すということを決定しました。ただし、これはベータ版30.0での実装です。バージョン29で実装されるかは今のところ不明です。
このように行き当たりばったりのことを繰り返しているので、ユーザーは本当にいい迷惑です。できれば実装前に何とかしたいので、プレリリースで気づいたときはできるだけ大暴れしているんですが、私はあくまでもInDesignがメインで、Illustratorはコミュニティフォーラムで回答するときぐらいしか触らないので、気づくことができません。アナウンスのない機能変更もありますし。
10月15日追記:バージョン28.6だけ、オープンパスの線の位置を「内側」「中央」「外側」に設定できるというのもありました。28.7で取り消されています。
そういうわけで、もうバージョン30が動き出しています。ですから、バージョン29で発生したバグはバージョン29の中で解消してもらいたいところです。そうしないと2025は完全に使用禁止ということになってしまいます。
29.2.1はどうなの? と思われるかもしれませんが、29.2.1でも問題点があります。目立つところでは29.2.1で追加された用紙サイズのプリセットがおかしいという点があります。29.2.1ではどうだったか確認していませんが、プリントのプリセットの裁ち落としサイズが3mmではなく0mmになっているという問題もありました(29.7.1で解消)。
いずれにせよ、バージョン29.x(2025)には「これが安心」というバージョンは今のところ存在しません(Illustratorのバグのメモ参照)。Adobe MAXまであと1か月ちょっとです。それまでに直るのか、それとも昨年のようにAdobe MAX後もバグ修正が出るのか分かりません。2024もひどかった(来週明けにMAXアップデートが来ます。Illustratorどうする?)けど2025は輪をかけてひどいですからね。
そのため9月11日現在では2024(28.7.9)を使うのがベストといえます。ちなみに今月のセキュリティ情報にIllustratorは含まれていませんでした。10月15日(セキュリティ情報が公開される日)までにアップデートがなければ、28.7.9が最終となります。そして、2024がインストールできるのも近づいています。Adobe MAXのオープニングキーノートがロサンゼルス時間の10月28日10時(日本時間では10月29日2時)ですから、それ以前です。昨年どおりだとすると10月27日18時ぐらいになります(一昨年のPhotoshopは例外で9月リリースでしたが、ベータ版の進捗具合から見ると例年通りだと思います)。今のうちに28.7.9を確保(バックアップ)しておいた方がよいでしょう。
