InDesign DOM 19.0→19.5の差分
InDesign 19.0より後のオブジェクトモデルの変更点を記載します。まだ私のオブジェクトモデルには反映されていませんのでご注意ください。反映しましたら案内します。また、各説明は挙動を確認せず文言だけで判断していますので、間違っている可能性が大いにあります。
バージョン19.1、19.2には新機能はなく、変更点もありません。
19.0→19.3
バージョン19.3の新機能は「ユーザー設定の書き出しと読み込み」でした。これに関連してApplicationオブジェクトに次の3つのメソッドが追加されています。
Applicationオブジェクトのメソッドの追加
メソッド名 | 引数および型 | 戻り値 | 説明 |
---|---|---|---|
importSettings | ファイル名(文字列型) | なし | ユーザー設定の読み込みと思われる |
exportSettings | ファイル名(文字列型) | なし | ユーザー設定の書き出しと思われる |
resetPreference | なし | なし | 環境設定の一般のところの[終了時に環境設定をリセット]かな? |
DisplaySettingオブジェクトの変更と削除
superclassが「なし」から「Preference」に変更されました。それにより「index」プロパティが削除されています。元々「高速表示」「一般表示」「高品質表示」の3つしかなく、nameプロパティも存在しなかったのできちんと整理したのだと思います。
EPubExportPreferenceオブジェクト、EPubFixedLayoutExportPreferenceオブジェクトのプロパティの追加
これは19.4の新機能の「EPUB のアクセシビリティの強化」の内容です。なぜか19.3のオブジェクトモデルに記載されているという。2つのオブジェクトとも同じ内容です。
プロパティ名 | 値 | 説明 |
---|---|---|
epubAccessibilityFeature | 文字列値 | アクセシビリティの特徴 |
epubAccessibilityHazard | 文字列値 | アクセシビリティのハザード |
epubAccessibilityMode | 文字列値 | アクセスモード |
epubAccessibilityModeSufficient | 文字列値 | 十分なアクセスモード |
epubAccessibilitySummary | 文字列値 | アクセシビリティ概要 |
epubAccessibilityConformsTo | 文字列値 | 適合スタイル |
epubAccessibilityCertifiedBy | 文字列値 | 証明者 |
epubAccessibilityCredentials | 文字列値 | 証明者の資格情報 |
epubAccessibilityReportLink | 文字列値 | 証明者のレポートリンク |
19.3→19.4
SourceType列挙のプロパティの追加
プロパティ名 | 値 | 説明 |
---|---|---|
SOURCE_DECORATIVE_IMAGE | 1648649065 | 装飾画像(代替テキストなし) |
オブジェクト書き出しオプションの[Altテキスト]に[装飾画像(代替テキストなし)]が追加されています。これ、19.4で追加されたようですが新機能リストにありません。ユーザーガイドにはありました(「オブジェクト書き出しオプション」見出しの下の「Altテキストオプション」のところ)。多分誰も知らないのではないかと思います。
この「SourceType」はAltテキストソースの他、隣のタグ付きPDFのActualテキストソースでも使用される列挙です。Actualテキストソースの場合はSOURCE_DECORATIVE_IMAGEが使えませんので、開発される方は注意が必要です。
GeneralPreferenceオブジェクトのプロパティの追加
プロパティ名 | 値 | 説明 |
---|---|---|
setActiveWorkspace | 文字列値 | ワークスペースの適用 |
keyboardShortcutSet | 文字列値 | キーボードショートカットセットの適用 |
これは誰もが欲しかった機能ではないでしょうか。特にsetActiveWorkspaceの方です。こんな大きなものが新機能にリストアップされていないなんて普通考えられないですよ。これは嬉しかったのでテストしました。
app.generalPreferences.setActiveWorkspace = "プリントと校正";
例は「プリントと校正」ですけど、お好みのワークスペース名に変えてください。「StartUp Scripts」フォルダに入れておけば、起動時に常に同じワークスペースで開始できるし、イベントリスナに仕込んで特定の操作をする場合にワークスペースを自動で切り替えるなど、使い方いろいろ。
EPubExportPreferenceオブジェクトのプロパティの追加
これはEPubFixedLayoutExportPreferenceオブジェクトの方にはありません。リフロー型のみです。
プロパティ名 | 値 | 説明 |
---|---|---|
epubCreatePageNavigation | bool値 | EPUB書き出し設定の「一般」の「ページナビゲーション」のチェック |
19.4→19.5
ChangeTextPreferenceオブジェクト、ChangeGrepPreferenceオブジェクトのプロパティの追加
プロパティ名 | 値 | 説明 |
---|---|---|
changeCaseMode | ChangecaseMode列挙/NothingEnum列挙 | 大文字と小文字の変更 |
これは19.5の新機能ですね。大文字小文字がややこしいので注意です。
以上です。残念ながら生成AI関係は含まれていませんね。安定してきたらスクリプトでも扱えるようになってほしいな。