InDesign 20.1はバグ修正のみ。とUserVoiceの変更点
22日にInDesign 2025の20.1アップデートが来ました。今回は新機能はなく、バグ修正のみです。修正の内容は次の通りですが、Adobeさんの発表は後出しや記載漏れが常なので必ずしも正確ではないのでご注意ください。
- vCard 用の QR コードは Unicode ではありません。
これはコミュニティフォーラムかどこかで話題になってました。vCard自体使う人がほぼいないので長い間発見されずにいたのでしょう。 - ワークスペースはカスタマイズされたレイアウトを保持しません。
これは20.0からのバグのようです。 - [macOS のみ] UI の拡大・縮小をより高く設定すると、アプリケーションフレームがオフのときにアイコンパネルが開きません。
- InDesign の英語およびヘブライ語版を使用して PDF の書き出しでドロップキャップを適用すると、2 番目の文字が消えます。
- ドキュメント固有のドキュメントフォントは、他のドキュメントでも使用できます。
これは20.0からのバグのようです。 - タッチワークスペースでページを非表示にして複数の新しいページを追加すると、InDesign がクラッシュします。
- 新しいドキュメントの開始ページ番号として偶数/ランダムな数字を設定すると問題が発生します。
これは20.0でスプレッドの非表示機能が搭載されたことに伴うバグです。 - [Windows のみ] 更新後、INDD ファイルのアイコンが空白/白/サムネールなしになります。
これはかなり前からあったバグですね。私の場合再起動すると直るので特に問題にはしてなかったですが。 - 段落スタイルを適用してクラウドに保存すると、テキスト変数の修正日が見つからないか消えてしまいます。
- Linux でホストされている SMB 共有にブックをパッケージ化すると、パッケージ内に複数の画像リンクが生成されます。
「LinuxでホストされているSMB共有」とはOSにLinuxを採用しているNASですね。LinuxベースのNASは価格が安いのが魅力ですが、SMBのバージョンが古くて通信速度が遅いというものもあるので注意が必要です。私が前の会社でシステム管理をしていた時は多少高くてもできるだけWindows Storage ServerのNASにしていました。 - プレゼンテーションモードを終了すると、外部モニターに接続したときに InDesign のウィンドウが小さくなります。
UserVoiceに投稿されたのが2020年ですから、以前から存在していたバグのようです。 - スプレッド内のページ文字列がページパネルに正しく表示されません。
これは私も取り上げました。20.0.1で修正されたのですが、今回記載されたということになります。前回の記載漏れか、修正したけど自信がなくて様子見してたとか(考えにくい)。こういう事例はIllustratorに多く見られます。 - 幅と高さの縦横の比率を固定アイコンがリンクされていない状態に戻ります。
これは私も確認しています。20.0からのバグです。挙動としては「InDesign 20.0で、コントロールバーで選択したオブジェクトの縦横比を固定し、一旦選択を解除して再選択すると、縦横比の固定が解除されている。19.5以前では再選択すると縦横比は固定されたまま」です。
追記:「Macで[保存しない]ボタンと[キャンセル]ボタンが逆になっている問題」は修正されていません。
各項目のリンク先はUserVoiceになっています。このUserVoiceでの扱いは、数か月前から変更されました。それは「バグ認定されたもの」あるいは「修正予定のもの」についてはタイトルの先頭に「[ID-xxxxxxxx]」という識別番号が付与されるようになったことです。IllustratorのUserVoiceではそのような処置がとられていないので、InDesignチームの独自の処理ということになります。これにより、未解決の状態でも確実に解決に向かっているものが外から分かるようになりました。たとえばこれやこれ。ステータスはそれぞれ「Under Review(レビュー中)」「NEED MORE INFO」なのですが、番号が振られていることにより正式にリストに登録されているということになります。何のリストかは置いといて。
ですから番号のないものはそもそも認識されていないか、再現できない、解決策がない、無視を決め込んでいるなどと推測されます。この辺りも注目です。Illustratorチームもやってくれないかな。
私はというと、予告していた通り、まず19.5.1アップデートを適用し、次いで20.1アップデートを適用、その後にopen_the_inddを実行、という手順でアップデートしました。その後InDesignを起動したんですが、次のような画面が。
あら? アップデートに失敗したかな? と思って20.1をアンインストールして再インストール(open_the_inddの実行はせず)。しかし、それでも直らなかったのでWindows PCの方をログアウトして再起動、その後ログインして正常に戻りました。23日のことです。
翌24日、Xで他の人も騒ぎ出したので、これは自分だけではなかったのか。
https://x.com/CS5_omachi/status/1882613585551216655
結局23日から24日にかけてデバイス認証サービスで何かあったということのようですが、タイミングが悪くて2度手間なことをさせられた、ということで、この会社と付き合うのは大変だと改めて思いました。