Affinityの黒矢印は「選択ツール」じゃありません!

2025年12月02日

これはAffinity by Canva Advent Calendar 2025の2日目に記事です。前日はToooNさん、明日はHaryさんです。

なおこの内容は『Affinity解体新書』(仮称。そもそも出るのか、出せるのかすら未定)に含まれます。


Affinity by Canva」Canvaアカウントのみで使用できる(基本無料)ようになって、一部の界隈で「脱アドビ」とか騒いでいたり、メディアが「乗り換えか」と煽り、さらには偽の比較記事(IllustratorとAffinity Designer 2の比較AIに作らせたもの)も出回って大変でしたが、少し収まってきましたかね。

特に、何なんでしょう、騒ぎにかこつけて少しでもインプレッションを稼ごうとする輩は。「Affinity by Canva」は出たばかりでどこAIも情報を持っていないにもかかわらず、販売終了となった「Affinity Designer」と比較して「こうですよ」というのは、私にしてみれば「だまそうという輩」です。改めて書いておくと、「Designer」「ペルソナ」の用語があるものは偽情報です。「ペルソナ」は「Affinity by Canva」になって廃止された概念です。

いわゆDTPの三種の神器(ラスター画像編集、ベクター画像編集、ページレイアウト)はアドビでいうPhotoshop、Illustrator、InDesignに当たります。「Affinity by Canva」の前身のアプリケーションでは「Affinity Photo 2」「Affinity Designer 2」「Affinity Publisher 2」です(ただし、同じ3本のアプリケーションでも1対1で対応しているわけではありません。販売が終了したので詳細は割愛します)。「Affinity by Canva」は3本のアプリケーションを1つにまとめたので、DTPの三種の神器を1つのアプリケーションでこなすものになりました。


現在、アドビにいやいやお金を払っている人は「Affinity by Canva」(以下「Affinity」といいます)に乗り換えたいと思っているのかもしれませんが、実は乗り換えはそう簡単ではありません。確実に作業効率が落ちます。一部Affinityはアドビの互換製品と思われているかもしれません(最近そういった論調は少なくなってきていますが)。しかし私から言うと全くの別製品です。いちから操作方法を覚えなければなりません(似た部分はあります)。何故ならば根本の設計思想が異なるからです。

それを分かりやすく解説したのが『Affinity解体新書』です(いや、まだ出るかどうかわからない)。その中から今回は「黒矢印のアイコン」について説明します。


黒矢印のアイコンとは、Affinityのツールの中で図の部分になります。

左かAffinity Photo 2、Affinity Designer 2、Affinity Publisher 2、Affinity)

これは図形やテキストフレームなどのオブジェクト、ピクセルレイヤー、選択範囲内のピクセルを移動したり、バウンディングボックスを使用して変形したりするときに使います。「移動ツール」といいます。

アドビのアプリケーションでこれに似たツールは次のものです。

  • Photoshopの移動ツール
  • Photoshopのパスコンポーネント選択ツール
  • Illustratorの選択ツール
  • InDesignの選択ツール

それぞれのアイコンの形は鷹野さんの「バラバラすぎCC2017のツールアイコン」に詳しいので、そちらを参照してください。

また、古いバージョンではアイコンの形が違います。これについても鷹野さんの「ぶっちゃけ変える必要がないのに変えるために変えたとしか思えなIllustrator CS6のペンツールの形状変更」に図がありますので、そちらを参照してください。アドビさんはアイコンの形を変えすぎです。

アドビアプリケーションとの比較でいうと、Affinityの移動ツールは

  • Photoshopの移動ツールと名称が同じ
  • Photoshopのパスコンポーネント選択ツールと形状が同じ

と言えます。機能的にもこの2つのツールを兼ねているといえます。

WikiPediaによると、Photoshopがパスを扱えるようになったのはバージョ2.0から、また、レイヤーを扱えるようになったの3.0からのようです。歴史を考えるPhotoshopで「移動ツール」「パスコンポーネント選択ツール」の2つがあるのは仕方のないところです。しかし、Affinityは最初からラスター画像もベクター画像も一緒に扱うように設計したので、1つのツールで済ますことが可能だったのです。