InDesignに欲しい!Affinity Publisher機能(1)テキストフレームのルーラー表示
不定期で小ネタを投下します。
しばらくAffinity Suite(特にPublisher)の記事を書いていますが、単に価格面でAdobeソフトに対抗するだけの「安かろう、悪かろう」というソフトだったら、ここまで検証しません。安いものに変えたけど効率も悪くなったというのでは、それはやはりプロの道具としては選択すべきではないと思います。趣味で遊ぶのであれば構わないですが。
Affinity Suiteは、日本語組版に対応していない、縦組に対応していない、パターン(ハッチング)がない、Illustratorに比べてブラシやアピアランスの機能が弱いなど、Adobe製品に比べて劣っている点は多く見つかります。良い点として多く挙げられているのは買い切りで安い、起動が速く動作も軽いということですが、それだけだとプロはAdobe、アマはAffinityという印象になってしまいます。そういった見方が定着してしまうとAffinity Suiteはいずれ姿を消すでしょう。
Affinity Suiteが生き残るためには、Affinityでないとできないという強みが必要です。それがあれば有力な対抗馬として多く使われるようになると思います。
では現時点(バージョン1.7.2)でそのような強みがあるのか、と問われると間違いなく「ある」と答えることができます。まだ総合的にはAdobe製品に劣りますが、キラリと覗かせる先進的な機能により、この製品には非常に将来性があると思うのです。ですからここまで検証し、記事にしています。
その中の一番はもちろん「StudioLink」機能です。
Affinity Publisherを利用すると、StudioLinkを通じてお客様がお持ちのその他のAffinityアプリに直接移動できます。 この世界初の革新的な技術は従来からパブリッシングが抱えていた問題を解消します。お客様は、Affinity Photoの先進的な写真編集機能やAffinity Designerの厳密なベクターツールを切り替えて直接ご利用になれます。Affinity Publisherから出る必要はもうありません。これほど適応性の高いワークフローを実現するクリエイティブスイートは、いまだかつてありませんでした。当社のアプリをAffinityと呼ぶのは、まさにこの理由によります。
Adobe製品の場合、InDesignからラスター画像やベクター画像を編集するためには別のソフトを起動して、そのソフトで編集しなければなりません。しかしAffinity Suiteを3本ともインストールしていれば、Publisherの画面から直接切り替えて編集することができます。
ただほかにも、Affinity PublisherにはInDesignにない機能を持っていて、これは絶対InDesignにも搭載すべき機能というのがいくつも見つかります。これからそういった機能を少しずつ紹介していきます。
初回はテキストフレームのルーラー表示です。ルーラーを表示すると、ここで字下げやタブ位置を指定することができます。
InDesignでも、タブパネルを表示すれば同じことなんですが、InDesignのタブパネルは画面の移動や拡縮によってすぐに移動してしまって、磁石アイコンをクリックしても戻らない時があります。
これに対してPublisherのテキストルーラーは、テキストフレームと一体です。また、上下矢印アイコンをドラッグすることで、行方向に移動できますので、フレームの途中にある行の設定も簡単です(上下矢印アイコンのダブルクリックでフレーム先頭に戻ります)。
いいでしょ? InDesignにも欲しいですね。