自動組版の新しい道具、Affinity Publisherのデータ結合(2)

ここではページを複製するレイアウトの作成手順を説明します。サンプルは異動辞令です。

使用データ

使用するデータは次のようExcelファイルです(これは次のコマ組パターンでも使用します)。

ドキュメントレイアウト

まずひな形となるドキュメントを作成します。なお、あとで挙動の説明をするため、最初のページに「異動者一覧」を作成しました。

ここまでは従来の機能だけを使っているので説明は省略します。

データソースの指定

このあと、データ結合を行っていきます。開くパネルは「データ結合マネージャー」(メニューから[ドキュメント]―[データ結合マネージャー...])および「フィールド」パネル(メニューから[ビュー]―[スタジオ]―[フィールド])の2つです。

まず「データ結合マネージャー」を開きます。パネルの左下に「ソースを追加」ボタンがあるので、そこをクリックしてファイルを選択します。

するとファイルが読み込まれます。正しく解析できるとフィールド数、レコード数が表示されます。

解析できなかった場合は「データが読み込まれていません」と表示されます。

ここが最大の難関ですね。どこが悪いのか教えてくれないので、試行錯誤しなくちゃいけません。

フィールドの指定

続いて、Excel中のどのフィールドをどこに差し込むかという指定をします。これは「フィールド」パネルを使用します。「データ結合マネージャー」はいったん閉じても大丈夫ですが、あとで再び使用します。

フィールド」は、InDesignでいう「変数」に相当します。通常ですと前ページ番号、次ページ番号、総ページ数、セクション名、ファイル名、現在日時などをドキュメントに挿入する際に使用します。ところがデータソースを読み込むと、ここに項目が増えます。

なお、データ結合マネージャーで「レコードをプレビュー」にチェックを入れると各フィールドが実際のデータで表示されます。

続いて各フィールドをドキュメントに入れていきます。ここではテキストの項目を説明します。画像は次の記事で。

テキスト項目を挿入したい位置にカーソルを立てて「項目名」をダブルクリックします。ダミーテキストを入れている場合は、それを選択した状態でダブルクリックします。ここで注意、データ部分をダブルクリックしても反応しませんので。

結果はこうなります。

以上ですべての準備が終わりました。

データ結合の実行

再び「データ結合マネージャー」を表示します。「フィールド」パネルは用済みです。

使うところは右下の部分です。

生成]ボタンでデータ結合された新しいドキュメントが作成されるのですが、その前に「繰り返し」というところを見ます。ここに「すべてのページ」と「ページ範囲」という選択肢があります。まずデフォルトの「すべてのページ」のまま[生成]してみます。

すると1ページ目の「異動者一覧」も複製されました。

まあ、当たり前なんですが。これでは都合が悪いので、辞令部分だけ繰り返したいと思います。

結果はこうです。

以上です。