ポストMVP7? 展示会で見た可変印刷ソフトウェア

2023年06月16日

6月10日(土曜日)に「2023 北陸印刷機材展」に行ってきました。北陸で唯一の印刷機材展で規模も小さいのですが、東京の大きな展示会の合間の時期ということで、初お目見えの製品が出ていたりします。このところ展示会に出かけられず最新情報に疎くなってましたので、ちょうどよい機会となりました。

関係者以外を制限していたせいでしょうか、土曜日にもかかわらず人が少なく、プリプレス関係はすべてじっくりと話を聞くことができました。その中で2社から「MVPがサポートを終了するので」という前置きで始まる話が。モリサワのプレスリリースにある通り、小ロットの可変印刷ソフトウェアの定番であった「MVP7」のサポートが来年11月29日で終了します。ですからその後継を狙っての出品ですね。分かりやすい背景説明ありがとうございます。

ということでその2製品を紹介します。なお、基本的には話を聞いただけで実際に触ったりしていません。ご了承ください。

リコー「FusionProシリーズ」

FusionPro VDP CREATOR / FusionPro Expression」は以前からある製品です。最近全く更新していない私のページにも記載があります。特長としては

  • イメージバリアブルが可能(Expressionの方)
  • Acrobat Pro / InDesignのプラグインなのでデザイン性が高い

ということでしょうか。ただし、次の制限事項のため、導入しにくいという面があります。

  • 動作環境Windowsのみ
  • 日本語独自の組版機能(縦組、ルビ等)に対応していない

まあ、MVP7もWindowsだけでしたから、乗り換えという面では問題にならないのかもしれません。というMVP7を検討したことがあるところだと、同時にこの製品も検討しているのでは?

コニカミノルタ「Variable Studio」

注:「Variable Studio」BingやDuckDuckGoで検索した際、https://variablestudio.jpがリストに上がりますが、こちらは「Variable Printer」という製品のようで「Variable Studio」とは無関係です。Google検索では出てきません。

Variable Studio」は今回の展示会が実質初展示だそうです。というのも、まだサービスを開始していません。7月のいつだったか(聞いたけど忘れた)からサービス開始です。ちょうど無料期間があるということなので申し込みをしました。

サービスを開始」と書きましたが、これはクラウドサービスで、パッケージ製品ではありません。作業としては次の流れになります。

  1. 素材(デザインデータ、テキストデータなど)をアップロード
  2. クラウド上でレイアウトや発生条件指定などを行う
  3. 完成しPDFをダウンロード、また、可変テキスト部分を修正した場合は修正データをダウンロード
  4. ダウンロードしPDFを印刷

実はこのサービス、名刺バリアブルで長くやっていらっしゃるオンデオマさんOEMです。おそらく「JOIN PIC -VARIABLE-」でしょう(機能が一致しているので)。ですからオンデオマさん独自の技術で組版PDF出力を実装しています。オンデオマさんは展示会では見るものの、実際に触ったことはないので、Variable Studioの無料期間で触れるのを楽しみにしています。

 

以上、とっても短い紹介でしたが、気になる方は各社にお問い合わせください。