●だったり■だったりをAffinity Designerでやってみた

2024年02月19日

前の記事Affinity Suite(Photo / Designer / Publisher)でやるとどうなるか、という話です。先に前の記事を読んでからこちらを読んでください。

作成する前に、前の記事で作っPDFファイルAffinity Suiteでどう解釈されるかという確認をしていきます。

Affinity SuiteでPDFファイルを配置する際は、PDFを解析するかどうかという選択肢があります。それが「PDFパススルー」という項目で、「パススルー」と「解釈」という2つの選択肢があります。

パススルー:PDFファイルをそのまま扱う。PDFの変更・修正・加工はできない。

解釈:PDFファイルを解析し、Affinity内で変更可能な形に変換する。変更・修正・加工が可能になる。

通常はパススルーを使用します。というのも日本語テキストを含んPDFをAffinityでの解釈した場合に、体裁が崩れたり文字化けする可能性があるためです。ただこれはバージョンアップにより改善していくので、そのうち問題にならなくなるかも知れません。

まず、「パススルー」で配置(埋め込み)します(たしかデフォルトがパススルーだった気がしますが気のせいかも)

このように■で表示されました。つまり、意図通り表示できていないということです。

これをツールバーから「解釈」に変更します。

すると●に変わりました。つまり、Affinityでの解析は意図通りの形になることが分かります。縦組のテキストがおかしくなるのは、Affinityがまだ縦組に対応できていないためなので仕方がないです。

ここで配置しPDF画像をダブルクリックして、編集モードに入ります。

マスクがラスタライズされていることがわかります。このラスタライズIllustratorでPDFを作成したときに行われたのか、Affinityで解析した際に行われたものか調査する必要がありますが、時間がかかるので一旦ここまで。


Affinity Designer 2でこの図形を作ってみます。バージョン2.3.1です。ドキュメント設定は次の通り。

まず正方形を作成します。塗りは適当、線はなし。

アピアランスパネルの①「塗りつぶしを追加」をクリック、②描画モードを「消去」にします。

ツールバーから塗りつぶしを①グラデーション、②タイプを楕円形にし、③左端の分岐点をクリックして④不透明度0%にします。

ここで[コピー]をクリックすると、選択中の分岐点(③のところ)がコピーされて中間位置に分岐点が作成されます(選択された状態)。そのまま位置のところ99と入力します。

以上で作成できました。

これPDFにエクスポートします。ラスタライズは「なし」です。

エクスポートしPDFファイルをドキュメントに配置します。

だめだめですね。「パススルー」でも「解析」でも同じ結果です。

じつはこPDF、前回の記事で挙げFoxit PDF ReaderやMicrosoft Edgeのみならず、Acrobatにおいても■で表示されてしまいます。唯一瞬PDFだけは次の表示になります。

なぜこうなのかというと、配置しPDFを編集モードにするとわかります。

マスクが作成されていないんですね。白の長方形になっている。ただこれAffinityで解析した結果なので、PDF状態ではどのようになっているのかはわかりません。白の長方形だと瞬PDFでの結果を説明できませんから。

なお、AffinityのPDF書き出し機能Serif自前ではなく、PDFlibによるものです。だから苦情を言って即直るというものでもないんですよね。