InDesign、Illustratorの2025バージョンをインストールした
昨日(10月14日)19:00~19:30にかけて順次2025バージョンがリリースされました。一昨年まではAdobe MAXのキーノートが始まる時間(日本時間で22:00)にリリースされたと思うのですが、昨年は23:30頃でやや遅くなっていました。今年は不意打ちを食らいましたね。
それから順次ホームページも更新されています。現在更新作業中もあるようですが、新機能ページは更新済みです。
まあ、公式のアナウンスはいいことしか書いてないので、そこはちょっと違うんじゃない? でいうのをユーザー目線で書いていくのがこのブログの価値だと思っております。ただ、私のPCも6年以上経って、次のバージョン(2026)はインストールできなくなりそうです。Windows 10のサポートも来年に終わるし、新しいPCが必要なのですが先立つものがありません。なにとぞご支援ください。一応口座番号を書いておきますが、もっとこういう方法がいいよというのがあれば教えていただけると幸いです(その辺はかなり疎くて踏み出せないので)。
名義人:シーエスファイブ オオマチ サトシ
インストールの話の前に、すでに2023バージョンはインストールできなくなってしまっているので留意しておいてください。先週アナウンスしましたので、見ている方は問題ないと思いますが、見ていない方はもうこんな状態だということです。
インストールできるバージョンは2024(19.0以降)になってしまっています。なおPhotoshopは3D機能が廃止される直前のv22.2もインストールできるようになっています。(なお私はInDesignを18.3で止めているので、もう「18.5.4へアップデートできます」のメッセージは出なくなっています)
ではインストールの話をしましょう。
インストール時の注意点は毎回書いていますが、必ずダイアログを見てチェックを外すことです。
Illustratorなどの初期値
InDesignの初期値
InDesignだけ「以前のバージョンを削除」のチェックが外れているのは2023からだっけかな?
Windows版IllustratorでCOMを利用している方は相変わらずレジストリの記述が間違っているので、そこを修正した方がよいです(アップデートのたびに修正しなければならない)。
正しい記述は次のようになります。
Windows Registry Editor Version 5.00 [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{054AC1B2-6332-4BED-A38B-B2610618E16E}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{11773C82-1222-4125-A8F8-2C3356DB91C2}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{2C2E4368-4267-49FE-A558-425327977567}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{388BF266-6C37-4A02-ACE6-3D38143BC64F}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{3C519B0E-9CAF-4471-99B0-098775895C84}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{59F4DD34-8DAB-42A7-A3B8-FB74D94935CF}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{6AAFA8F1-8C18-41C5-9AC0-8CB92E491FA0}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{EB15125F-5F97-411A-8230-430FEB28B91F}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation" [HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{F54F6CF3-D5C4-4268-A92D-B51AF33FBD43}\LocalServer32] @="C:\\Program Files\\Adobe\\Adobe Illustrator 2025\\Support Files\\Contents\\Windows\\Illustrator.exe /Automation"
InDesignについて
私のテーマであるopen_the_inddの更新とオブジェクトモデルの更新は今からの作業になります。プレリリースでは確認しているのですが本番環境だとフォルダが異なるので、そのあたりの再確認と実際の作り込みはこれからになります。
機能の紹介は「InDesignの勉強部屋」におまかせします。私もチェックして口を出しているので、ここで重複して紹介することもなかろうと思います。「生成拡張」「テキストから画像生成」については、私も初期のプレリリース版でテストしていますが、生成拡張は印刷業界では使い物になりません。別途記事を起したいと思います。MathMLについてはTenさんの記事「InDesign ver.20のMathMLについての注意」も見てください。MathMLはSVGとして生成される(RGB)のでこれも印刷業界では使い物になりません。オブジェクトモデルではMathObjectとして追加されていますが、SVGの方にも追加があります。少しややこしそうなのでオブジェクトモデルの方は少し遅くなるかもしれません。
なお、修正された問題と既知の問題のページも一読ください。なお、既知の問題の回避策2で「2025(バージョン 20.0)を使用するには、macOS を Sequoia にアップデートしてください。」とありますが、必要システム構成ではSequoiaはサポートされていません。前バージョンは3月(バージョン19.3)になってからSonomaに対応したので、Sequoia対応もそれくらいになると思われます。
PDF書き出しプリセットが削除される問題
私の環境(Windows)では発生していないのでおそらくMac限定だと思われるのですが、20.0の起動時に日本語等(非ラテン1)の文字を含んだPDF書き出しプリセットのファイル(.joboptions)が削除される問題が発生しています。(公式の案内が出ました)
WindowsですとPDF書き出し設定はAcrobatや他のバージョンのInDesignと共通で使える場所にあるのですが、Macの方は異なっているのでしょうか。その辺の情報を持ち合わせていないので、これについては検証ができません。PDF書き出し設定の名称を英数字のみにすると大丈夫なようですので、そのように対応するか、または20.0の使用を見合わせる方向で対応してください。
Illustratorについて
Illustratorのほうにはいいことと悪いことがあります。
いいことは、28.7.1で発生していたグリフ化けのバグが解消されたことです。残念ながらそれだけです。
28.6以降で発生している「起こし丸括弧のアキ量が異常」というバグは解消されていません。ベータ版では解消されているようですので次のアップデートを待ちましょう。
どのバージョンだったか覚えていませんが、一時、リンク切れのダイアログの[すべてに適用]という項目が消えたバージョンがありました※。それが29.0で再発しています。
バージョン28.4.1(図の中のバージョンは間違い)
バージョン29.0
このダイアログは1つのPDFの複数ページを配置している時にリンク切れした場合などで見るものです。
これについてはバージョン29.1で新しい形で実装するということが予告されています。それによると29.0の[置換]ボタンをクリックした後にさらにダイアログが表示され、次の中から選ぶ(日本語訳は知らない)というものです。
Current instance of the linkAll instances of the linkAll Missing Links from this Folder
まだ変更があるかもしれませんので予断はできませんが、(10月16日12:40 追記:この予告は取り下げられたようです。現時点でどのような手段で解消されるのかは不明です)いずれにせよ29.0でリンク切れを起こした場合は面倒ですので、外部入稿が多いところは次のアップデートまで様子を見る方がよいでしょう。
前の記事の追記に少し書きましたが、29.0からテキストエンジンが変更されました。そのため、変更箇所を確認する準備(27.7以降のバージョンで一度開いて保存)を行っていない場合は警告なしに文字があふれたりすることがあります。その逆も然りで、29.0で保存したドキュメントを28.7.1以前のバージョンで開くと文字位置がずれるなどの症状が出ると思われます。大きな変更なので本来であれば別形式にしなければならないと思うんですが、保存バージョンは「2020以降」と一括りにされちゃってるんですよね。
また、新機能で既にバグが発見されています。
アートボードの「オブジェクトと一緒に拡大・縮小」には、ちょっとバグがある。「基準点」を中央にして「縦横を維持」をONにして、WかHに数値を入力して変形すると、オブジェクトの位置が全体にズレてしまう。「基準点」を中央以外にすれば回避できる。
最後に、新機能のヘルプバーですがこれはAffinityですでに実装済みの機能です(Affinityではステータスバーに表示される)。他にも実装済みのアプリケーションはあるので「やっとかよ、ずいぶん遅れたな」という感想です。
※ 確認しましたら27.8で発生して27.9で修正されています。