Affinity V2.6が出ました。Publisherは互換性に注意
2月19日にAffinity Suite(Photo / Designer / Publisher)のバージョン2.6が出ました。新機能などの情報はこちらになります(2.7が出るとURLがこちらに変わると思われます)。
ここで私が重要視するのはPublisherのページに関する新機能です。2.5.7までのPublisherでは、1つのスプレッドに配置できるページ数は2ページまででしたが、2.6で3ページ以上に増えたことです。それに関する説明で次の記述があります。
次の事項にご注意ください。 この機能には広範囲なアーキテクチャの変更が必要でした。そのため、バージョン 2.6 以前に作成されたファイルから、すべての「元に戻す」履歴をインポートできるわけではありません
(原文)
Please note: This feature required extensive architecture changes so not all undo history can be imported from files created before 2.6
つまり編集履歴が削除されるので注意してねってことですね。ページ回りの設計を全面変更したということなので、2.6以降で作成したドキュメントが2.5.7以前で正常に開けるかどうかは不明です。少なくともスプレッドに3以上のページがあるドキュメントは正常に開けないでしょう。
実際どうなのかということは、まだ試していないので分かりません。Affinityの場合、機能アップデートがあると大体1か月以内にそのバグを修正したアップデートが出ます。ですから私はそれ(2.6.1と推測される)が出るまでアップデートはしませんので。
今後もこのような下位互換がなくなるバージョンは来ます。1つ確実だと思うのは、マスターページにあるオブジェクトの扱いです。Publisherのマスターページは「特殊なレイヤーグループ」という設計になっています。つまり、マスターページにあるオブジェクトは1つのレイヤーグループになっているため、本文ページの上下両方に重ねることができません。
つまり、次の図のようなことは可能です。
しかし、次の図のような構造、すなわち、マスターページのオブジェクトが、本文ページのオブジェクトを上下に挟むような重なりはできません。
こういう要望は当初からあります。しかし現状のAffinity Publisherのデータ構造では実現できません。これを実現するには「広範囲なアーキテクチャの変更」が必要で、そのときに互換性が損なわれます。
Serif社は今のところ、アップデートに対しては常にベータ版を提供し、丁寧な説明を行っているので、常に最新版(機能アップデート直後は除く)を使っていればほぼ問題ありません。そのため下位互換はあまり気にしなくてもよいのですが、たまにこのようなことがあるので、私も注視して発信します。
2月28日 追記
2月28日に2.6.1が出ましたが、これはiPad版のみです。つまりiPad特有の問題に対処したということになりますので、機能のバグ修正というわけではありません。ということですべてのプラットフォームに共通の修正が入るまで待ちます。