Affinity Publisherで縦組合成フォント(2)右綴じ

2019年09月10日

漫画というと縦組、そして縦組というと右綴じですね。ところAffinity Publisherは縦組に対応していないので、当然右綴じにも対応していません。

でも、対応していないからできないのかというと、そうではないのがこのソフトの面白さです。使うかどうかは別として、無理矢理右綴じにすることができます。

まず新規ダイアログで次のように設定します。

用紙サイズとページ数などは任意ですが、赤枠のところが重要です。「縦向き」のチェックを外し、配置を「縦方向」、開始を「下」にします。もし見開きで始めるなら、開始を「上」にしてください。

続いてマージンの設定です。

左とあるところに天マージン、右のところに地マージン、内側はノドのマージン、外側は小口のマージンになります。

設定を終えて「OK」ボタンをクリックすると、次の図のように上綴じの本になります。

ポイントはここから。メニューの「ビュー」(または「表示」)から「回転」「右に回転」をクリックします。

すると、どうでしょう。右綴じになったではありませんか。

ただ問題があります。これはあくまでも表示を回転させているだけなので、テキストフレームを作成すると、このように右方向が実際の上になるわけです。

これで、文字だけ90°左に回転してくれれば縦組なんですが、あいにく文字の回転機能はないので、結局テキストフレームを左90°回転しなければならないことになります。

これは画像を配置した時も同じです。図形はあまり上下左右を気にするものではないのでいいんですが、テキストフレームと画像フレームは作成すると、すべて左90°回転しなければなりません。これはまともに考えるとかなり手間ですね。

余談ですが、表示を回転させたときには気を付けなければならないポイントがあります。作業エリアを移動したいときは手のひらツール(表示ツール)を使ってください。普段の操作でスペースバーを押す癖がついている方は問題ありません。問題があるのはスクロールバーをドラッグして表示する範囲を移動している方です。そういった方は残念ながらスクロールバーのバグに遭遇し、思った方向に移動できないので気を付けてください。

さて、ここまで読んで大変そう、と思った人は、無理にこの記事の手順を真似しなくても構いません。右綴じでの見開き表示はあきらめて単ページでの表示で作業を行ってもらって全然構いません。

ただ私はチャレンジャーなので、このまま続けていきます。テキストフレームや画像フレームを作成するたび90°回転するという手間を少しでも減らそうと考えると、新しくフレームを作成するのではなく、一度作成したものをコピーして使おうとするのが普通です。そのためマスターページをうまく使うんですが、話がずれるのでまた今度にします。