Affinityで文字の境界線に線幅をつける方法をお勧めしない理由
この記事は、『Affinity制作入門』用に書いたものですが、ページ数の都合によりボツにしたものです。せっかく初校を組んでいただいたのに申し訳ないので、このブログに掲載することにしました。実はこれだけでなくて、他にいくつかそういうものがありますので、順次公開していきます。
文字を装飾する中で、文字の形に線を描くことはしばしばあります。これを縁取り、袋文字、白抜き文字などと呼びますが、Affinityでこれを行う場合に次の2つの方法があります。
- 文字の境界線に線幅をつける
- レイヤーエフェクト(アウトライン、外側の光彩、外側のシャドウ)
このうち文字の境界線に線幅をつける方法は罠がありますのでお勧めしません。その理由を説明します。
罠1 文字が細る
文字に縁取りをしたい場合、図の上の方をイメージすると思います。しかし、単に境界線を着色しただけでは下の方の形になってしまいます。
これはAffinityの描画の設定が、塗りよりも境界線の方を前面に描画するようになっているからです。これはIllustratorも同じです。InDesignはテキストの場合に線が上に来ないようになっています。
図形の場合はそれでよいのですが、テキストの場合は描画順を入れ替えなければなりません。この図ではわかりやすいように境界線を太くしていますが、細い線だと違和感を感じつつ放置されているケースが多いように見えます。
罠2 文字のトゲ(ツノ)
これはIllustratorを使っている方にはおなじみの「文字のトゲ」です。縁取りの一部が不自然に飛び出しています。
この原因はマイター結合をしているためです。Affinityの場合はデフォルトでラウンド結合になっていますから、意図せず発生するということはありません。「文字を角ばったものにして力強い印象を与えたい」場合などでマイター結合にしたりします。
トゲの正体は「A」の文字の場合、内側の三角形の縁取りの頂点部分が飛び出しています。
このトゲを途中で折ってしまおうというのがマイターリミットで、この数字が小さいほどトゲが出にくくなります。この図ではマイターリミットはIllustratorの初期値に合わせて「4」としています。しかしAffinityの場合、図形では「1.5」、アーティスティックテキストでは「2」が初期値ですのでIllustratorよりは発生しにくくなっています。マイターリミットについて詳しくは「文字にツノが出る問題(マイター処理)」をご覧ください。
罠3 バリアブルフォント
バリアブルフォントは、ひとつのフォントでウェイトや幅などを変更できるフォントです。
それを実現するために、文字がいくつかの部品に分かれているのが特徴です。これは、境界線の色を設定したときに部品の形状がわかってしまうという困った問題を引き起こします。
罠1で示したように初期状態では境界線の方が前面にありますから、単に境界線の色を設定しただけだと次の図の上の方になります。バリアブルフォントの部品がはっきりわかりますね。その下のように境界線を背面にしなければなりません。
また部品が多いことから「文字のトゲ」も通常のフォントより多くなります。
一番の問題は、文字の一部をアレンジしようとカーブに変換すると部品に分かれてしまいます。
これは非常に扱いが面倒です。そのため、バリアブルフォントは何も装飾しない場所で使用したほうがよいです。アレンジには全く向いていません。
文字の縁取りをする場合はレイヤーエフェクトのアウトラインの使用をお勧めします。レイヤーエフェクトの外側の光彩、外側のシャドウはピクセルで作成されます。一方アウトラインはベクターで作成されるので、シャープな仕上がりになります。
アウトラインを拡大
外側のシャドウを拡大










