Affinity Publisherで日本語処理(0)
前のエントリでも書きましたが、Affinityソフトウェアを購入しました。まだ、軽く触っただけですが、かなりよいです。特にいいのが、PublisherからシームレスにDesignerやPhotoに切り替えられるところですね(StudioLinkといいます)。また、直感的に操作できるところ、動作が軽いというのもお勧めです。
問題点は日本語の組版機能が弱いというところですが、ここは人(使い方)によってそれほどデメリットは感じられないと思います。例えばDesigner(Illustratorに相当)については、私は文字はほとんど入力しません。そもそも「Illustratorで文字組なんかするんじゃねえ」派なので、地図を作成するときと作字をするときぐらいです(だからテストするとき以外でエリアテキスト機能を使うことがない)。InDesignメインのユーザーは大体そうじゃないかなと思いますが、そういう人はIllustratorからDesignerに切り替えてもあんまり問題は発生しないと思います。
私はこの後、Adobeのアプリケーションで使うものはInDesignとAcrobatのみになっていき、IllustratorとPhotoshopは使わなくなっていく気がします。
なお、Affinityソフトウェアについて詳しく知りたくなったら、facebookにユーザーグループ(Affinity User Group Japan)がありますので、そちらに参加されるとよいと思います。申請が必要なのでちょっと入りにくいかもしれませんが、非公開なので、本音で話をしています。
さて、タイトルにある通りAffinity Suite(主にPublisher)で何とか日本語を組んでみようというシリーズになります(Affinityを冠するPhoto、Designer、PublisherをまとめてAffinity Suiteと呼ぶようなので、これからはこの名称を使います)。現在のバージョンは1.7(どの製品も同じバージョン番号なので分かりやすい)です。組版機能(これも、どの製品も同じ機能です。IDとAIのような製品差はありません)は日本語特有のものには対応していません。具体的には、「縦組」「禁則処理」「文字間自動調整(約物、和欧文字間など)」「文字の回転」「ルビ」「割注」などなど。
「じゃあ、全く使えないんじゃない?」
いいえ、そんなことはありません。思い返せばInDesign 1.0も実用に耐えるものではありませんでした。表組もなかったし。最初のバージョンというのは得てしてこういうものです。
Affinity Publisherは最初から表組機能があります。そして、InDesignにはない、文字の囲み罫や段落背景色(※2019年8月1日訂正)機能があります。そして何より強力な正規表現(Perl式)検索置換機能があります。
いつ日本語特有の機能が搭載されるのか未定のようですので、ここでは現状でどこまで日本語組版ができるかをテストしてみたいと思います。
それをすることで逆に開発元のSerif社に対して、こういう機能が欲しいんだということもアピールできるのではないかと、勝手に思ってます。(あとは翻訳ソフトにお願いするのみ)
初っ端は禁則処理です。Affinity Suiteでは現状、句読点が行頭に来たり、起しの括弧類が行末に来たりします。このままでは問題なので、正規表現検索置換機能を使って禁則処理を行いましょう。ただし、現状では追い出し処理のみです。追い込みができるようになるには約物の文字幅処理が必要です。
ではやってみましょう、というところなのですが、大分長くなったので今回は前置きだけにして、次回から始めます。