Affinity Publisherで日本語処理(5)テキスト関連パネル
ここまで、Affinity Suiteで日本語を使うための最低限の設定を行ってきました。次はモノルビの予定でしたが、その前に、テキストのデフォルト設定の話と、テキストスタイルの話をしないといけません。これをほったらかしておくと、後から大変なことになりそうだからです。少し長くなりそうですがお付き合いください。
まず、テキスト関連パネルの比較をします。Affinity Suiteは内部で持っているテキスト情報は3本とも同じですが、インターフェイスで使用できるものが異なっています。DesignerとPhotoは同じですが、Publisherでは設定できる項目が増えています(バージョン1.7時点)。
パネル | Publisher | Designer/Photo |
---|---|---|
文字パネル | 同じ | |
グリフブラウザパネル | 同じ | |
段落パネル | ![]() |
![]() |
テーブルパネル | あり | なし |
ピン留めパネル | あり | なし |
ハイパーリンクパネル | あり | なし |
検索して置換パネル | あり | なし |
テキストスタイルパネル | 同じ | |
テーブルフォーマットパネル | あり | なし |
目次パネル | あり | なし |
インデックスパネル | あり | なし |
このため、Designerで段落スタイルを設定すると、設定できない項目(ハイフネーション、ドロップキャップスなど)が勝手に作成されるということになっています。
ですから現時点では、段落スタイルはPublisherで作成すべきということが言えます。もちろん、作成された段落スタイルはDesigner/Photoで使用できます。
Affinity Suiteは、どのソフトも全てのデータファイル形式(.afphoto, .afdesign, .afpub)をそのまま読み込めるという親和性(affinity)を持っているので可能なんです(だから、ノンブルだけPublisherで作成しておいて、あとはDesignerで編集ということも可能)。
話がそれましたが、パネルの概要だけ説明しておきます。詳しくはインストールしてヘルプを見るなり、ネットで調べるなりしてください(日本語の情報はこれから増えていくはずです)。
文字パネル
InDesignやIllustratorの文字パネルに加えて、IllustratorのOpenTypeパネルも追加されたようなものです。
グリフブラウザパネル
InDesignやIllustratorの字形パネルに相当しますが、パネルメニューがないと考えてもらったらよろしいかと思います。
段落パネル
InDesignやIllustratorの段落パネルに相当しますが、InDesignでは別ダイアログになっている禁則処理設定や行頭文字(自動番号)、ドロップキャップスの設定なんかも1つのパネルの中に入っているので、かなり縦長になります。
テーブルパネル
InDesignの表パネル+表設定ダイアログ+セル設定ダイアログを合わせたような感じです。これもかなり縦長です。
ピン留めパネル
InDesignのアンカー付きオブジェクトの設定ダイアログに相当します。オブジェクトサイズの基準値に「ポイントサイズ」があってねえ、凄いんだなこれが。
ハイパーリンクパネル
InDesignのハイパーリンクパネルに相当します。
検索して置換パネル
InDesignの検索と置換パネルに相当しますが、通常の検索置換と正規表現検索置換のみです。
テキストスタイルパネル
InDesignやIllustratorの段落スタイルパネル+文字スタイルパネルに相当します。一つのパネルの中で段落用と文字用が表示されます。これはWordと同じですね。
テーブルフォーマットパネル
InDesignの表スタイルパネルに相当します。なお、セルスタイルという概念は今のところなさそうなので、遠い将来に期待しましょう(それより先にしなければならないことが山ほど)。
目次パネル
InDesignの目次ダイアログに相当するかと思いきや、もしかして全く別物かもしれません。そのうち調べます。
インデックスパネル
InDesignの索引パネルに相当するかと思いきや、もしかして全く別物かもしれません。索引パネル+相互参照パネル+ブックマークパネルの可能性もあります。これもそのうち調べます。
いろいろ触っていると面白いものを発見してなかなか進みません。あんまりブログとしてまとまらず、また早く知らせた方がいいなと思うものはTwitterで発信しています。
Affinityのtips。
— お~まち@自動組版&InDesign&Affinity (@CS5_omachi) August 9, 2019
オブジェクトをアートボードの中央に揃える方法。
ちなみに用紙右端から20pt(mm)内側に入れたいときは、基準点を右にしてXのところに「sw-20」と入れる。
これめちゃくちゃ便利。Adobeソフトにも欲しい。 pic.twitter.com/jA34L1hWnG
Affinity Publisherのtips。
— お~まち@自動組版&InDesign&Affinity (@CS5_omachi) August 9, 2019
文字サイズに追従して大きさが変化するインラインオブジェクト(詳しい挙動は検証中)。
InDesignにも欲しい。 pic.twitter.com/HVmCmydOSa