Project Neo Betaが提供されています

2024年05月11日

まずはじめProject Neoとは何かということなんですが、これは昨11Adobe MAX 2023のSneaks(開発中の技術をお披露目する場)で発表されたプロジェクトです。その様子は次YouTubeの動画を見てください。(全くの余談ですが、「まずはじめに」と書きはじめて、同じ言葉が重複してしまっているので直そうかなと思ったんですが「一番最初」という同様の言葉が一般化しており、あながちまずくもないかなと思った次第)

 簡単に言うと立方体や球など、基本的な形が用意されており、それを組み合わせて立体の画像を作成するというもの。作成された画像PNG、JPEG、SVGに書き出すことができ、SVGに書き出せIllustratorで使用することができるわけですね。

このベータ版が出たことに気づいたのは次のAdobe Careのポストです。

また、リリースノート(英語)があり、それによると3月5日にリリースされたようです。リリースノートではできることや制限事項が記載されていますので、試す前に一読しておいてください。

あとで検索したら次の記事が見つかりました。手っ取り早く概要を知りたい方はそれを見てください。私はぐだぐだと書いていきます。

Project Neo アドビがブラウザ上3Dモデルを作成しIllustratorにベクターデータとして書き出せるソフトのベータ版を公開


Adobe MAXのSneaksで公開される開発中の技術の多くは、数年後に既存の製品に組み込まれたり、結局実現されなかったりするんですが、Project Neoは次の2点で今までと異なります。これはかなり珍しいことです。

  • わずか半年後にベータ版が提供された
  • 単独のアプリケーション(といってWebブラウザ上で動く)として提供された

では早速Project Neoのページにアクセスして試してみましょう、と言いたいところですが、現時点では次のような制限がありますので、試すことができない人もいるかと思います(これは私の知っている限りの内容です。これ以外に条件があるかもしれません)。

  • インターフェイスは英語のみ
  • マウスが必須で、タッチ操作しかできないデバイスでは入り口で拒否される
  • かなり重いので貧弱なデバイスでは動かない

あと、ベータ版なので当然バグは多いはずですし、リリースノートにあるように機能制限もあります。

このうち「マウスが必須」というのは、Project Neo BetaDiscordがあり、そこに警告画面があったのでわかりましたが、私自身は試してないです。

また、Macでの動作環境(ブラウザ)は次の図のとおりです。実はこの内容は実際にプロジェクトを作成して、その中のヘルプボタンから表示されるのものです。ここ以外に動作環境が書かれていないようで、ちょっと不親切ですね。

Windowsに関する記載が一切ないんですが、対応していないということはなさそうです。あとで説明します。Macの方はここで読み終えてOKです。


Windowsで、プロジェクトを作り始めるまでを説明します。

まずProject Neoのページにアクセスします。私の環境Windows 10 22H2、ブラウザMicrosoft Edge 124.0.2478.80です。

アクセスすると次の画面になりますので[Start designing]をクリックします。

ログインしていない場合は「Sign in」の画面になりますので、AdobeIDとパスワードを入力してください(2段階認証を設定している人はそれも)。

最初にログインすると「Adobe Prerelease License Agreement」(プレリリースライセンス契約)へのリンク画面が出ます。英文ですが必ず読んで同意できるか確認してください。同意できなければ先に進んではいけません。この契約はプレリリースアプリケーションすべてに共通するものです。契約内容には秘密保持の内容も含まれており「操作画面のスクリーンショット」などを公開することは禁止されています。(Project NeoはPublic Betaではなく、Private Betaなので、内容は非公開です。私はできるだけ引っ掛からないよう注意して書いていますが、この内容でもアウトだと言われるかもしれません。宣伝してるので許してね)。どうしても誰かに見せたいというのであれば、Project Neo BetaDiscordに参加してください。そこではテスターたちが作例を公開できる場があります。また、そこで質問をすることもできます(たぶん英語しか通じないと思いますが)。

同意できれば[Proceed]ボタンをクリックして進みます。「Discover」の画面になります。

メニューは「Discover」と「My Project」の2つで、「My Project」をクリックすると自分の作ったものが一覧で表示されます。新しく作成する場合は赤枠で囲った[+ Create a new design](新規作成)ボタンをクリックします。青枠Discordに参加できます。

新規作成ボタンをクリックすると、環境によっては動きません。またはものすごく時間がかかります。私の場合は十数秒待たされたあと次の画面になりました。

Intel GPUが遅いです」という警告です。そして、

Please follow instructions to configure device(次の設定をしてください)

というメッセージが出ています。これは何かというと、遅いかWindowsの設定を変更してねってことです。つまWindowsでChromiumブラウザを実行しているという認識はできています。「Chrome.exe」になってますが、Microsoft EdgeVivaldiでも同じでした。そのあたりはひっくるめているのかもしれませんね。ともかく、動作環境にWindowsは書いてありませんが、全くサポートしていないというわけではないということです。

肝心の設定内容ですが、次の通りです。

  • Windowsの検索ボックスで「グラフィックの設定」を検索する(Windows 10の場合、[設定]→[システム]→[ディスプレイ]→[グラフィックの設定]になります)
  • 参照]ボタンをクリックしChromeのインストールフォルダを開き、Chrome.exeを選択してください(ここはそれぞれのブラウザに読み替えてください。なお、Microsoft Edgeは「デスクトップアプリ」ではなく「Microsoft Store アプリ」のはずですが、私の環境ではリストアップされません。そのため指定できませんでした)
  • 追加されたアプリをクリックして[オプション]をクリックし、[高パフォーマンス]を選択して[保存]ボタンをクリックします

この警告ダイアログを二度と表示させたくない場合は青枠で囲った「Don't show this message again]にチェックを入れます。[Close]ボタンをクリックして閉じれば、作り始めることができるというわけです。

全体のインターフェイスは左にツールバー、右にプロパティパネルなど、Adobeのアプリケーションを触ったことがある人であれば直感的に操作できるかなと思います。私は触った初日、どうしても色を変更することができず断念しましたが、今日やってみたら簡単に変更できてしまいました。回線の状態か、あるいは「高パフォーマンス」にしたからかどうかわかりません。ベータ版ですのでその辺は気にしません。

Adobeの動画を見て気になったら気軽に触っていただきたいです。くれぐれも非公開ベータということは忘れずにね。

5月26日 追記

どうPrivate Betaといいながらも実Public Betaのような扱いになってるみたいです。この記事も警告を受けていません。それどころAdobeの中の人(Adobe MAX JapanのSneaksでおなじみの伊藤大地さん)が頻繁にXにポストしています。構造を確認できる作例ですので、参考になると思います。

https://x.com/daich_j