InDesignで見開きの親ページを使用し、奇数分のページを追加するとプライマリテキストフレームが重複する

アドビコミュニティフォーラムで回答したので、こちらにも載せておきます。

InDesignでは見開きの親ページ(マスターページ)を適用したページの左右(綴じ位置から見て右と左)が変更された場合に、親ページを適用し直すという仕様になっています。親ページのオブジェクトがオーバーライドされていない場合は、それが当然の仕様であり、そうしなければなりません。しかしオーバーライドされているオブジェクトがあると、そのオブジェクトは維持されたまま、新しく親ページのオブジェクトが作成されます。

これはテキストフレームのオーバーライドでよく見かけるものです。特に親ページのプライマリテキストフレームに文字が入力されており、個別のページでそれを書き換えるという手法を取ったときですね。

基本、「プライマリテキストフレームに文字を入れてはいけない」という大原則があるのですが、なかなかそうはいかないときもあるようです。

そんなときの解決方法の一例です。なお、以前の記事「ノド揃え、小口揃え」も参考にしてください。


  1.  オーバーライドしないオブジェクトだけの親ページを作成する(B-固定)
  2.  それを親ページとした、オーバーライドするオブジェクトのみを配置した親ページを作成する(A-override)
    (わかりやすくするため、レイヤーカラーを赤にしています)
  3.  版面サイズのテキストフレームを作成し、そこにオブジェクトの数だけ行を作成する。今回の例はオブジェクトが2つなので2行です。
  4.  今回の場合、すべての行の行揃えをノド揃えにする(レイアウトによっては小口揃えにしたり、オブジェクトの位置によっては混在もあり)
  5.  本来オーバーライドしたいテキストフレームをアンカー付きオブジェクトとして挿入する
    (ここまでが親ペーA-overrideの設定です)
  6.  各ページに親ページAを適用する
  7.  ここでドキュメントを保存(念のため)
  8.  各ページでオーバーライドをして編集します。オーバーライドの対象は版面サイズのテキストフレームになります。
  9.  編集したページに親ページBを適用する

  10.  これで奇数ページが挿入されても「親ページの再適用」は行われないため、余計なテキストフレームは発生しません。そして、ノド揃えにしているので、テキストフレームの位置も意図したとおりになります。

ちょっと面倒ですが、確実な方法です。