やっと公式が「バックグラウンドで保存」「バックグラウンドで書き出し」オフを推奨!
やっと公式(日本のアドビサポート)が「バックグラウンドで保存」「バックグラウンドで書き出し」をオフにするよう案内しました。
元々以前から挙動が怪しく、有識者の間では機会があるごとにオフにするよう発信していましたが、公式のアナウンスが出たことで、「有識者がどれほどの知見があるのかを知らない」ユーザーにもはっきりと「公式が言っているので」と言い含められることになりました。この違いは大きい。
設定箇所は[環境設定]の[ファイル管理]にある「ファイル保存オプション」です。
Illustrator 2024(28.7.10)
Illustrator2025(29.8.2)
Illustrator 2026(30.0.0)
回避されるバグ
これで回避されるバグには次のものがあります。
- 保存時にリンクファイル名の最後の1文字が欠落する(案内文書の中で言及されている内容)
- 保存時にデータが壊れ、レイアウトが変わる(以前の記事「Illustrator 2025にとどめのバグ! DTP三種の神器の現状は?」で取り上げました)※29.8.3のみ修正されました
- aiファイルの互換PDFでAcrobatレイヤーが過剰に複製される(以前の記事「Illustrator 2025にとどめのバグ! DTP三種の神器の現状は?」で取り上げました)※29.8.3のみ修正された模様
- macOSの「書類に対応したフォント」を使うと互換PDFで文字化けする(Illustratorのバグのメモ参照)
- バックグラウンド保存+合成フォントでaiファイルのPDF領域が空白になることがある(バージョン28.1で修正済み。Illustratorのバグのメモ参照)
他にも原因不明で放置されているものの中には「バックグラウンドで保存」をオフにすることで解消できるかもしれません。
開発とサポートはアクセルとブレーキ
サポートからようやく案内文書が出たわけですが、一方で開発の方はこれ構わずです。2026の新機能ページです。
リリースノート
強化されたバックグラウンドで保存設定により、アートワークに施した複雑な編集をより速く保存できます。
強化されたバックグラウンドで保存設定により、予期せぬクラッシュ後も作業を迅速かつ確実に復元できます。
Adobe Illustrator デスクトップ版のパフォーマンス強化
より高速な保存:Illustrator では変更箇所のみを保存し、毎回ドキュメント全体を保存しなくなったため、複雑なアートワークの編集をより速く保存できます。
30.0の新機能として書かれていますが、実は29.5から少しずつ高速化のための変更を行っていて29.7で爆発したというのが私の見立てです。以前の記事「Adobeの7月のセキュリティ情報が出ました&Illustrator 29.5以降フォントが変わる件など」「Illustrator 2025は使用禁止か? 今は2024一択」を参照してください。なお、これらの記事の中でAdobeの新機能ページへのリンクがありますが、今回ヘルプページがリニューアルしたことで最新の新機能ページに飛ばされてしまいます。おそらく元のアドレスに残っているものと思われますが強制的に飛ばされるのでアクセスすることができません。腹立つよね。これからはキャプチャ取っとかないといけないのかなあ。できる人↓
公式の情報はある日とつぜん消える可能性があるので、自分のために新機能のメモをまとめています。
— hamko (@hamko1114) October 27, 2025
2025年はこれだけアップデートかかってるので(細かいバグフィックス入れたらもっとあるはず)、これで安定とか無理なんでない?というのは正直思います。 pic.twitter.com/aQ7LD3jn76
とにかくIllustrator開発チームは暴走したがるので、サポートや営業はこれを必死で止めてほしいです。特に最近の開発チームはIllustratorを「趣味のお絵描きツール」としか思っていないんじゃないか、とさえ感じます。仕事道具であり、生きていくための命綱なんだよ、ということを口酸っぱく言い続けないといけません。
余談ですが8月からベータ版に登場し、2026製品版に入ってくるんだろうと予想していたターンテーブルですが、製品版には入りませんでした(試してみたい方はベータ版をインストールしてください)。製品版に入ったら2026の目玉機能だったはずなんですが。ひょっとすると2025があまりにもひどくて(YAHOOニュースにもなった)ストップがかかったのかもしれません(新機能よりもバグ修正優先!)。だとしたら非常にありがたいので、ターンテーブルは当面ベータ版でいいですよ(笑)
21:30および31日0:30 追記
20:30ごろ、Illustrator 2025バージョン29.8.3がリリースされました。
これにより「保存時にデータが壊れ、レイアウトが変わる」は修正されました。「aiファイルの互換PDFでAcrobatレイヤーが過剰に複製される」も修正された模様です(私は未確認)。ただし、30.0.0およびベータ版ではまだ修正されていません。一体何をしたいバージョンなんだ。
他にも29.8.3で気づいたことがあります。29.8.2にあった「パフォーマンスのために保存を最適化」のチェックボックスが消えています。
アクティブなアートボードの枠線が2px黒になっています(右下がアクティブ)。
これは「Illustrator 2025は使用禁止か? 今は2024一択」に書いてありますけど、29.7.1で実装され、29.8.1で元に戻った(1px)ものですが、再び実装されました。ちなみに30.0.0では1pxです。本当に、本当に一体何がしたいんだ。






