やっと公式が「バックグラウンドで保存」「バックグラウンドで書き出し」オフを推奨!

2025年10月30日

やっと公式(日本のアドビサポート)が「バックグラウンドで保存」「バックグラウンドで書き出し」をオフにするよう案内しました。

バックグラウンド保存による保存エラーについて

元々以前から挙動が怪しく、有識者の間では機会があるごとにオフにするよう発信していましたが、公式のアナウンスが出たことで、「有識者がどれほどの知見があるのかを知らない」ユーザーにもはっきりと「公式が言っているので」と言い含められることになりました。この違いは大きい。

設定箇所は[環境設定]の[ファイル管理]にある「ファイル保存オプション」です。

Illustrator 2024(28.7.10)

Illustrator2025(29.8.2)

Illustrator 2026(30.0.0)

回避されるバグ

これで回避されるバグには次のものがあります。

PDFは図の赤枠部分にチェックが入っている状態です)
   

他にも原因不明で放置されているものの中には「バックグラウンドで保存」をオフにすることで解消できるかもしれません。

開発とサポートはアクセルとブレーキ

サポートからようやく案内文書が出たわけですが、一方で開発の方はこれ構わずです。2026の新機能ページです。

リリースノート

強化されたバックグラウンドで保存設定により、アートワークに施した複雑な編集をより速く保存できます。

強化されたバックグラウンドで保存設定により、予期せぬクラッシュ後も作業を迅速かつ確実に復元できます。

Adobe Illustrator デスクトップ版のパフォーマンス強化

より高速な保存:Illustrator では変更箇所のみを保存し、毎回ドキュメント全体を保存しなくなったため、複雑なアートワークの編集をより速く保存できます。

30.0の新機能として書かれていますが、実29.5から少しずつ高速化のための変更を行ってい29.7で爆発したというのが私の見立てです。以前の記事「Adobeの7月のセキュリティ情報が出ました&Illustrator 29.5以降フォントが変わる件など」「Illustrator 2025は使用禁止か? 今2024一択」を参照してください。なお、これらの記事の中Adobeの新機能ページへのリンクがありますが、今回ヘルプページがリニューアルしたことで最新の新機能ページに飛ばされてしまいます。おそらく元のアドレスに残っているものと思われますが強制的に飛ばされるのでアクセスすることができません。腹立つよね。これからはキャプチャ取っとかないといけないのかなあ。できる人↓

とにかIllustrator開発チームは暴走したがるので、サポートや営業はこれを必死で止めてほしいです。特に最近の開発チームIllustratorを「趣味のお絵描きツール」としか思っていないんじゃないか、とさえ感じます。仕事道具であり、生きていくための命綱なんだよ、ということを口酸っぱく言い続けないといけません。

余談ですが8月からベータ版に登場し、2026製品版に入ってくるんだろうと予想していたターンテーブルですが、製品版には入りませんでした(試してみたい方はベータ版をインストールしてください)。製品版に入った2026の目玉機能だったはずなんですが。ひょっとする2025があまりにもひどくて(YAHOOニュースにもなった)ストップがかかったのかもしれません(新機能よりもバグ修正優先!)。だとしたら非常にありがたいので、ターンテーブルは当面ベータ版でいいですよ(笑)


21:30およ31日0:30 追記

20:30ごろ、Illustrator 2025バージョ29.8.3がリリースされました。

これにより「保存時にデータが壊れ、レイアウトが変わる」は修正されました。「aiファイルの互PDFでAcrobatレイヤーが過剰に複製される」も修正された模様です(私は未確認)。ただし、30.0.0およびベータ版ではまだ修正されていません。一体何をしたいバージョンなんだ。

他に29.8.3で気づいたことがあります。29.8.2にあった「パフォーマンスのために保存を最適化」のチェックボックスが消えています。

アクティブなアートボードの枠線2px黒になっています(右下がアクティブ)。

これは「Illustrator 2025は使用禁止か? 今2024一択」に書いてありますけど、29.7.1で実装され、29.8.1で元に戻った(1px)ものですが、再び実装されました。ちなみ30.0.01pxです。本当に、本当に一体何がしたいんだ。